ルーヴェン・カトリック大学が創立されたのは1425年のこと。大学の卒業生には地理学者のメルカトル(1512-1594)はじめ、元ベルギー首相で初代欧州理事会議長のヘルマン・ファン・ロンパウ等、多くの著名人を輩出しています。
大学街ルーヴェンは9月になると、長い夏休みを終えた学生が戻ってくるうえ、新入学生も加わり、一気に賑やかになります。
そのルーヴェンで毎年9月に「セプテンバー・ケルミス」という移動遊園地が開催されます。
会場のLadeuzepleinは大学図書館の前にある大きな広場。
お化け屋敷、メリーゴーランド、ミニ・ジェットコースター、アヒル釣り、空中ブランコ、コイン落とし、射撃屋などのカラフルな電飾が光ります。
食べ物の屋台もハンバーガーやフリットの軽食、子供が大好きな綿飴などなど充実しています。
その中でも絶対、食べたいのはスマウトボレンという丸いドーナツのようなお菓子。(Smoutebollen)外はカリッと、中はもちもちとした揚げボールに、これでもかと粉砂糖をかけてくれます。
子供も大人も大好きなベルギー人のソウルフードですが、ケルミスでしか食べられない『ケルミス味』も登場します。揚げたてを食べながら、地元の人々の姿を眺めるだけでも楽しいものです。
しっかりレストランで食事をとりたい人には、国際色豊かなレストランが立ち並ぶ、食い道楽横丁がオススメ。(Muntstraat)
ルーヴェン図書館 まめ知識
80メートルの鐘楼のある立派な大学図書館ですが、元々の建物は第一次世界大戦中にドイツ軍によって、焼き払われてしまい、戦後アメリカの義捐金やドイツの賠償金で再建されました。
しかし第二次世界大戦で再び戦火により焼け落ちてしまい、90万冊以上あった蔵書の中で残ったのは1万5000冊だけでした。 アメリカの主導で再建されたため、それを象徴する意匠が多く隠されています。
まず完成日の1928年7月4日はアメリカ独立記念日。当時、米国が48州だったことから、時計盤には48の星が散りばめられ、鐘の数も48でした。さらに屋根の右隅には白頭鷲と星条旗が飾られています。
図書館復興は日本も援助したため、屋根の左側には日本を象徴する狛犬と菊の御紋が刻まれています。
今年からちょうど100年前にあたる1921年、昭和天皇(当時は皇太子/写真中央)がベルギー各地を訪問した際には、戦禍を受けたルーヴェン大学の図書館を訪問しました。
●会場: ルーヴェン大学図書館前
●場所: Monseigneur Ladeuzeplein, 3000 Leuven
●移動遊園地: 2021年9月3日〜9月15日
●URL: www.leuven.be/kermis
▶食い倒れ横丁: Muntstraat, Leuven
(文・織姫)