- 1. チルチルのひとりごと 不機嫌なスープ
- (コラム)
- 近所に新しくできたカフェは、お洒落でファミリー向けの雰囲気である。 気にはなっていたが、コロナで外食の機会はぐんと減り、まだ訪問できずにいた。 とある週末、郵便を受け取りに行ったついでに、どうせなら遅めのランチをとろうとなって、妻と二人で新店カフェの敷居をまたいでみた。 キッチンカウンターでは、お洒落で綺麗な若い女性が二人働いているが、どうも様子がおかしい。 一人は我々を一瞥するも、素通りしていき、もう一人のお姉さんもなぜか不機嫌そうだ。 ...
- 作成日 2020年10月06日
- 2. チルチルのひとりごと コロナ離婚? コロナ復縁?
- (コラム)
- 「成田離婚」ならぬ「コロナ離婚」が流行っている。 そんな噂が広がっていますが、自然なことかもしれません。 仕事もプライベートも、今までとは違うスタイルが強制される時代に、たまったストレスがここぞとばかりに爆発して「離婚」という選択肢を選ぶカップルが増えているのではないでしょうか。 ベルギー政府発表の2018年中の離婚数は23135件。別れたカップルが共同生活をした平均期間は15年とのこと。 ...
- 作成日 2020年05月14日
- 3. チルチルのひとりごと 対コロナ模範生ベルギーの取り組み
- (コラム)
- フィナンシャル・タイムズがベルギーの国家と社会のコロナ対策が「模範的」と褒めてくれました。 現地にいると、なかなか上手にゲームを進めている感覚があります。正直なところ、これほどベルギーに住んでいることを誇りに思ったのは、サッカーワールドカップでベルギーが日本に逆転勝利したとき以来です。 コロナの特徴を把握したうえで、社会がどう適応したらいいのか、徹底的にロジカルに考えたうえで施策を展開している印象があるからです。 ...
- 作成日 2020年03月27日
- 4. チルチルのひとりごと ベルギー産であること
- (コラム)
- ベルギーと聞いてイメージするアイテムは?イメージではワッフル、ビール、ムール貝、フリッツ、ダイヤモンド、、、。 では、それが「主な産業ですか?」というと、経済の数字を見るとそうではありません。ワッフルなどという、ふわっと軽く甘い食べ物で、国庫が潤うわけはないのです。強いて言えば、3時のおやつとして我々の空腹を満たすだけですね。笑 実際にむずしい統計資料をひっぱりだして見てみると、輸出の金額が大きいのは、薬、化学品、自動車、機械、金属、プラスチックなど、ちょっとサイエンス寄りのものが多いようです。 ...
- 作成日 2020年02月04日
- 5. チルチルのひとりごと プールと刺青
- (コラム)
- コミューン施設の水泳プールで泳いでいる私は、当然のように「ご近所さんとの裸のお付き合い」があります。 ぷよぷよの体をどうにか引き締めたいという私に比べて、すでにロダンの彫刻のような筋骨隆々とした体躯の皆さんが、肩で風を切ってプールサイドを歩きます。 そうした理想の石膏像グループは、だいたい一つや二つはタトゥーで肌を飾っているのです。 タトゥー。刺青。入れ墨。 危険な香りが漂うと同時に、極めてプライベートなテーマでもあります。 ...
- 作成日 2020年01月31日
- 6. チルチルのひとりごと 革靴のお手入れ
- (コラム)
- 突然ですが、皆さん、靴は何を履いていますか? スニーカー、サンダル、革靴? ベルギーでは雨の日が続き、ゴツゴツした石畳を歩く機会も多いので、本当はトレッキング用の靴なんかが機能的でしょうが、お洒落に見せたいなら、革靴が重要なアイテムです。 昔から私はジーンズでも革靴を合わせています。ベルギー移住当初に特に愛用していたのは黒のデザート・ブーツです。(デザートといっても「砂漠」のほうです。食後のデザートじゃなくて) ...
- 作成日 2019年09月20日
- 7. チルチルのひとりごと ボニファス地区の魅力
- (コラム)
- 久しぶりにボニファス地区(Saint Boniface)を歩いてみました。観光客はあまり行かないであろうこの特殊な界隈は、アールヌーヴォー建築の宝庫です。歩いてまわれる範囲に、かなり味の濃いスグラフィッティ(壁画)や、曲線を描く鉄のフレーム、個性の強いドア、ブルーストーンの外壁など、ヌーヴォー・ファンなら目を輝かせるデザインが次々に現れます。 不思議と魅力的なこの地区は、飲食産業も盛んです。新しいラーメン店「こくラーメン」と老舗「やまとラーメン」がしのぎを削り、なんちゃって日本食のLittle ...
- 作成日 2019年03月29日
- 8. チルチルのひとりごと 受難と情熱の間
- (コラム)
- 欧州言語でパッション(passion)というと、一般的には「情熱」という意味にとらえられる。 一方で、今がその時期なのだが、キリストの「受難」もパッションと言われる。教会ではそのテーマ「受難節」にちなんだ音楽が奏でられている。それは、欧州の音楽家にとって「稼ぎ時」であるのがパッションの第三の意味と考えられなくもない。(もちろん冗談) さて、この前の週末、ドライブ中に同乗の音楽家とパッションの話になって、彼が音楽関係者のあちこちから声をかけられた挙句、トリプル・ブッキングが2日分もあると豪語していたのが、ふと、パッションとは何か? どうして「情熱」と「受難」が同じ言葉でありえようか? という話題になった。 ...
- 作成日 2019年03月20日
- 9. チルチルのひとりごと 国際女性デー
- (コラム)
- この世には「女子会」なるものが存在する。 もちろん男子禁制の無礼講で、男がいないことをいいことに、旦那や彼氏や男性同僚・・・とにかく男に対する不平不満を大放出できるチャンス。 先日、国際女性デーがあり、それに合わせたのか知らないが、ブリュッセル中心地のお洒落なレストランで3月8日に女子会が開催された。 なぜだか前から男性一人で参加していたOさんからお誘いメールをいただき、男性の私も行くことになった。女子会といいつつ、ゆるいルールなのかもしれない。 ...
- 作成日 2019年03月15日
- 10. チルチルのひとりごと ビタミンD
- (コラム)
- 冬場になると、軟弱な私はよく風邪をひく。こういうとき、ベルギーではまずドクター・ジェネラリスト(Docteur Généraliste)つまり総合診療のお医者さんが診て、風邪以上の深刻な病気と判断されると、専門医にバトンタッチされる医療システムとなっている。 私のかかりつけ医はルワンダ系の女医さんで、褐色の肌に大きな瞳、細かなカールのかかった長い髪の毛が印象的な美人さん。そして彼女は英語も話してくれる。全部フランス語だけだと理解できない医学用語もあるので、親切に英語も交えてくれるのは助かる。 ...
- 作成日 2018年11月29日
- 11. 【チルチルのひとりごと】スシをトラピストビールで飲み下す
- (コラム)
- ベルギーの仏語の放送局でサッカー実況をしているロドリゴ・ベーンケンス氏(Rodrigo Beenkens)が面白い。日本でもスポーツ解説者の名台詞が話題になりますが、ベーンケンスさんもウィットに富んだコメントで、お茶の間を沸かしてくれました。 日本リードでベルギーが苦しい状況で、日本サポーターらに警告。 「日本の諸君、赤い悪魔を喰ってしまおうと思うなら、ツノまで飲み込まなければなりませんぞ。ちょっとのワサビが辛いからって、試合はまだまだ終わっちゃいませんぜ!」 ...
- 作成日 2018年07月04日
- 12. チルチルのひとりごと ベルギー対日本
- (コラム)
- ポーランドを相手に1対0での敗戦。しかしH組グループ通過という、微妙なかたちで日本はトーナメントに進出することになりました。 試合後の西野監督のインタビューでは、苦渋の選択のようでしたね。コロンビアがセネガルに勝ちそうだ、じゃあ、このまま安全に現状維持で1点差で負けよう、そしてイエローカードは絶対にもらうな、という(ある意味)変な指示をお出しになったようで。 「戦いに負けて勝負に勝つ」みたいな感じで、監督が「不本意」と形容したのも分かります。勝ち負けさっぱりさせたい日本人の心情としては残念ですよね。どうせ世界では弱い国なんだから、全力でぶつかって戦えよという気もしないではない。 ...
- 作成日 2018年06月29日
- 13. チルチルのひとりごと ベルギーと日本の比較(サッカー篇)
- (コラム)
- 2018年サッカー・ワールドカップ・ロシア大会が開幕しました。 日本では外国人監督が降板させられ、新監督がベルギーで活躍する日本人選手を最後の最後で落選させるという、あまり愉快ではない展開ですが、、、まあ愚痴ってもはじまらないので、気分を切り替えて応援しようと思います。(いや、結構引きずってますわ、、、久保選手と森岡選手が見たかったな〜) Jリーグの誕生が1991年。サッカーが日本でも主要なスポーツとして定着してからそれなりに年月が経ちましたが、日本代表が世界のトップで安定して活躍できるほどの「強さ」はまだですね。 ...
- 作成日 2018年06月15日
- 14. チルチルのひとりごと 魚スープ特別トッピング
- (コラム)
- 遅めのランチでふらりとブリュッセルの街に出て、渋めの地元カフェで魚スープを注文しました。 しばらく待つとシェフが料理を持って来てくれて一言。 「あなた、日本人?」 「そうですけど」 「じゃあ、これをかけてあげよう」 「何?」 「か・つ・お・ぶ・し」 よく晴れたブリュッセルの街カフェに現れたのは、白い円錐形のプラスチック容器に入れられたカツオブシでした。パラパラと魚スープの上にかけて、シェフは立ち去る。 ...
- 作成日 2018年05月04日
- 15. チルチルのひとりごと ワインは誰が注ぐべきか?
- (コラム)
- 日本では、嘆かわしいことに財務省という立派なお役所でセクハラ事件が発生。西洋と東洋の「酒と女」を巡る「酒のつまみ的エッセイ」をお届けします。皆さんのお考えやいかに!? さて、件のニュースで被害にあったのは女性ジャーナリスト。スキャンダルを追いかけ回し、火のないところに煙を無理やり捏造するくらいの業界が隣接する位置にいる相手だというのに、エリート官僚さんも危機意識が希薄だよな〜と、驚いた庶民らは次の瞬間には密かにほくそ笑んでいるのです。常にスキャンダルに飢えていますから。 ...
- 作成日 2018年04月24日
- 16. チルチルのひとりごと ドイツのバター
- (コラム)
- バター大好き人間の私にとって、静かな衝撃を受けた今回のドイツ旅行。改めて食文化の差を感じたトリアーへの週末小旅行での発見を書き残す。 親しいドイツ人の友人アクセルの誕生日に、ドイツのトリアーという街に行くことになった。ベルギーのブリュッセルからだと、リエージュとルクセンブルクの先にある国境を越えてすぐのところ。 友人とその家族に合流する前に、比較的近くの山城であるエルツ城を見学することにした。 ...
- 作成日 2018年04月21日
- 17. チルチルのひとりごと スケベ人間
- (コラム)
- 以前住んでいた地域のスーパー・デレーズでは「ムッシュー・スケヴェネー、3番レジまでお願いしま〜す」というような店内放送が聞こえていた。日本人なら、ちょっと吹き出しそうな名前である。 オランダには「スケヴェニンゲン」という海岸沿いの街があり、おそらく同じ語源だと思われる。ちなみに、スケヴェニンゲンは昔ヌーディスト・ビーチだったと聞きます。今も一部そうなんじゃなかったか、どこかで読んだような記憶も。 ...
- 作成日 2018年03月14日
- 18. チルチルのひとりごと 暗い空と小さな笑い
- (コラム)
- 非常に残念なことに、ベルギーの天気は暗い。この冬、12月の日照時間が過去最低を下回ったとニュースになり、年が明けて1月もお世辞にも明るい新年とは言いがたいものでした。 みなさん、暗い季節に気分まで暗くなっていませんか? 日照不足や加齢によるビタミンD不足でうつ病になったり、仕事や家庭での精神状態までどんより曇ったりしていませんか? チルチルも一時期、原因不明の疲労に悩まされましたが、ドクターの血液採取診断によってビタミンD不足が判明したので、今ではなんとか持ち直しています。 ...
- 作成日 2018年01月29日
- 19. 【チルチルのひとりごと】ベルギーで冬タイヤは義務にあらず
- (コラム)
- しんしんと、深々と、白い雪がブリュッセルに降り積もっています。 窓から見える景色はが変わって見えます。「雪化粧」とは、昔の人は素敵な言葉を思いついたものですね。おしろいを肌に塗るように、建物の屋根や地面を美しく輝く白に染めていきます。 暖かい家のなかから外を眺めている間は、キレイだなで済みますが、一旦、外出するとなると、さあ大変。 凍った地面に足を滑らしたり、靴やズボンが汚れたり、車に乗ってもヒヤヒヤです。 ...
- 作成日 2017年12月12日
- 20. 【チルチルのひとりごと】薄切り肉(しゃぶしゃぶ・すき焼き)
- (コラム)
- ヨーロッパで暮らしていると、日本では当たり前でも当地では意外に存在しないものがあります。 汝の名は「薄切り肉」。秋から冬にかけて、「しゃぶしゃぶ」「すき焼き」に使う薄いお肉ちゃんがその一例です。 もちろん欧州でもサラミやハムをスライスするので、肉を薄く切る文化が完全にないわけではないのですが、「ステーキやグリル料理で豪快な固まりとして使うものを、紙のように薄くとな?」と、人生ではじめて日本人に薄切りをリクエストされたお肉屋さんは戸惑うようです。 ...
- 作成日 2016年10月29日
- 21. ポン酢はオランダ語
- (語学レッスン)
- ポン酢って、実はオランダ語なんです。 正確には、インドのヒンディー語が語源で、オランダ語由来で日本に来たと言えます。 「茶・アラク・砂糖・レモン・水」の5種を混ぜたものをインド人が飲んでいました。土地の言葉でPanch(5の意)。これを欧米諸国が真似て、英語でPunch(パンチ)と呼ばれるようになります。英語から派生してオランダではPons(ポンス)と読まれていました。 江戸時代、出島。昔の日本人はオランダ人が夏バテ対策に飲む不思議な液体に興味を持ちます。 ...
- 作成日 2014年12月14日