- 1. 現代ベルギー小説アンソロジー『フランダースの声』
- (文学)
- ... 「茂みの中の家」 ヒューホ・クラウス (三田順・訳) フランダースの村社会とそこから外れた家庭。語り手の少女レーナの祖父が亡くなったが、葬儀はおろか遺体を運ぶことすらできない。父は船乗りで不在。母はふしだらな女でたくさんの男が出入りしている。そのためにレーナの家は忌避され、遺体の引き取り手がいないのだ。 村社会、学校、教会、宗教、性、死。そんなテーマで織りなす短編。「一つ目」を描いた絵、というものが作中に登場するが、あまり説明がないわりには印象に残る。全能の神がすべて見ているという意味だろうか。宗教道徳的には罪と穢れに満ちた家の住人たちを、「目」はどのように見ているのか。 ...
- 作成日 2019年01月15日