春といえば花。オランダとフランダースといえば、チューリップ。
チューリップを愛でるならキューケンホフが本場ですが、ベルギーとオランダの国境あたりにも、チューリップ畑があります。
もちろんマナーを守って静かに花を眺めるのが基本。畑の花を傷めたりしないように気をつけましょう。
「イチゴ狩り」のように、一般に開放された畑では自分で花を摘んでもいいところもあります。実際に車を飛ばして、チューリップ畑の旅をしてみました。
ちょっと錆びついたオランダ語を駆使して、冒険前夜にネットでリサーチした結果、、、
オランダのゼーラント州が公開している上に掲載の地図や、地元の人が書いたブログ情報を頼りに、チューリップだけでなく、歴史ある街歩き、オランダらしい風車、グルメ・・・美味しい要素をたくさん組み合わせた旅のプランが仕上がりました。
ブリュッセル発、フルスト経由、ミデルブルフ着。さて、実際はどうなることやら。
早寝早起きが大の苦手の私。7時には出発するぞと気合いを入れて、結局のところ車に乗り込んだのが9時・・・。プランとしては、いきなり暗雲たちこめますが、春の晴天のおかげで気分は明るい。
さて、どのくらい花に出会えるでしょうか? 実録で日帰り旅行のご報告をいたします。
畑その1(ベルギー国内) ちょっぴりでも感動!
ブリュッセルからアントワープをかすめるようにして西へ。高速道路沿いには、有名な日系企業さんがちらほら。そこから10分ちょっとで、最初のチューリップ畑に到着!!
最初の畑は、黄色のチューリップが一列のみという状態。なにしろ今日、はじめて出会えた花なので、少しでも感動します。
畑の側で観察してみると、他の列はすでに花が刈り取られた状態。花が咲いたままだと、子房(種)に栄養が行くので、早々に花の部分だけカットしてしまうそうです。切られて捨てられた花は地面に落ちていることも。(ということは、このチューリップは球根栽培のためのもの?)
この畑はベルギー国内にあります。住所と地図をご紹介しますが、タイミングによっては花がなかったり、畑自体が転作したりと、思わぬ事態が起こる可能性がありますことを、以下、ご承知ください。
Lange Nieuwstraat 58, 9130 Beveren, BELGIUM
(番地は目安です。Lange NieuwstraatとSint-Kornelisstraatの交差点あたり)
DMS: 51°16'28.5"N 4°09'58.3"E
畑その2(ベルギー国内) チューリップあるところに自転車ありの法則
「幸福の黄色いチューリップ」で気をよくしたものの、次の目的地のチューリップ畑が見つからず落胆。
しかし、周囲をうろちょろしていると、どうもハイキングやサイクリングの人々が多くいる。季節を迎えたチューリップ目当ての人々に違いない。そのうち、畑を2つ発見。最初より敷地も大きく、花も多い!
自転車にのったおじさん集団。「おはよ〜ございます!」と声をかけられました。高速で疾走しながら、どうして私が日本人であると(中国人ではなく)分かったのだろうか? まあ、適当な勘かもしれない。お揃いのユニフォームだと、カッコ良く見えるのが不思議。
この畑は素晴らしい。おすすめです。
Kijkverdriet Straat, 9170 Meerdonk (Sint-Gillis-Waas), BELGIUM
DMS: 51°15'11.3"N 4°07'31.4"E
ちなみに、この近くに美味しそうなアイスクリーム屋さんあり。営業時間が午後からだったので、行けませんでしたが、次回はぜひ。
ijshoeve De Boey
Groenendijkstraat 11, 9170 Sint-Gillis-Waas
営業時間:13-20h
サイト:http://www.ijshoevedeboey.be/
畑その3(ベルギー国内) 靴のチョイスはお間違えなく
Kijkverdriet Straatのすぐ近くにもう一つの畑が肉眼で確認できたので、そちらに移動。スプリンクラーで水を散布していました。
観光客は、畑の端をちょろちょろと歩くのですが、水やり中の畑では、靴がすぐに泥まみれになります。素敵な革靴は避けたほうがいいし、車も汚れるので、なんだったら替えの靴とビニール袋を用意しておくほうがよいかと思います。
第三の畑の住所はこちら。現場で不思議に思ったのですが、これは「その1」の畑と同じ通り・・・。しかし、この通りは名前からも分かるように距離が長い。グーグルマップでも番地が出てこないのです。もしこの「ベルギー青い鳥」サイトをご参照の場合には、緯度経度の情報(DMS)を使いこなしていただきたい。そして、1→3→2の順番で回ったほうが、よかったことが判明。
Lange Nieuwstraat, 9170 Sint-Gillis-Waas, BELGIUM
DMS: 51°15'28.6"N 4°07'45.5"E
いざ本国(?)オランダへ
チューリップ畑は3つも見ると、だいぶお腹いっぱいになってきました。ベルギー青い鳥としては、ベルギーの畑をご紹介したいと思っていたので、その使命も果たした気分で満足ですが、やはり、国境を越えたオランダの畑も気になりますよね。いざチューリップ王国へ。
3キロの距離。車で数分で国境の反対側へ。(笑)
しかし、事前調査がまたしても空振り。そして、また別のところでも空振り・・・。畑というものは、番地が不明確なので、街中で家を探すようにはいかないのです。
畑その4(オランダ本国)少ない数のチューリップ畑。その出会いは運命。
いくらチューリップ畑が多い地域とはいっても、ボルドーで車を走らせれば見渡す限りどこでもワイン畑、という具合にはいきません。しかし、事前調査の2件が失敗に終わったと思ったら、偶然にも大きめの畑に遭遇したのです。ラッキーです。チューリップの色が派手なので、遠くからでも発見できるのが、面白い!
基本的にベルギーでもオランダでも、チューリップ畑の構造は一緒であると分かります。ここは濃い赤と、赤白2トーンが印象的な畑でした。
Hoogestraat 2, 4567 PC Clinge, NETHERLANDS
DMS: 51°17'42.0"N 4°06'33.6"E
畑その5(オランダ本国)ストロング・ゴールド、黄色の破壊力すさまじ
次は、ほぼ事前調査どおりの場所に、第5のチューリップ畑を発見。今回の旅では最大級の規模で、特に黄色のチューリップの輝きがすばらしい。プレートには「ストロング・ゴールド」という表記がありました。春の日差しに神々しく輝いていました。
Kijkuitstraat, 4567 PA Clinge, NETHERLANDS
DMS: 51°17'29.0"N 4°05'42.3"E
ここで、時刻は12時30分。車のトランクを椅子代わりにして、持参したサンドウィッチで軽くランチ休憩。
街歩き オランダ・フルスト(HULST)観光
お茶まで用意できなかったので、食後のコーヒーを街でいただこうと、フルストの街に到着。
Bistrot EN PASSANTという素敵なお店を発見。内装がキッチュで可愛い。お料理はいただきませんでしたが、ここでランチでもよかったかなと思いました。ホリデー・シーズンで、お店はかなり閉まっていましたが、カフェやレストランは、多少は営業している模様。
フルストは美しい水堀に囲まれた古い街で、中心に教会と市庁舎があり、そこから歩いて10分ほど北側に粉引き風車があります。風車の内部が見学可能で、美味しい粉も販売しているので、ぜひ。急な階段にご注意を。
※ここで旅を終了にしても、日帰り旅行としては十分ご満足いただけるかと思います。特にベイビーがいたり、もう疲れた〜ということでしたら、カフェでくつろいでから帰宅しましょう。
街歩き オランダ・ミデルブルフ(MIDDELBURG)観光
ちょっと欲張って旅を続けます。海底トンネルを2つ抜けて、歴史あるミデルブルフに到着。
(所要時間1時間弱。片道5ユーロの通行料金がかかります)
美しい建造物と、調和のとれた町づくり。フルストよりも規模が大きい街ですね。博物館も興味深いのですが、到着したのが4時30分だったので、次回のお楽しみということでパスしました。布地や服の伝統的なデザインに興味をひかれました。
広場でアイスクリームを食べて、のんびり。
畑その6 チューリップ狩り・・・のはずが、リサーチ不足で失敗
最後に、ミデルブルフから北に少し車を走らせて、チューリップ狩り体験ができる畑を目指しました。ご覧のように、畑は無事に見つかったのですが・・・。
到着してみると、「日曜はお休み」のサインが。サイト情報の確認不足でしたね。残念。近くにはキッズが楽しめる風車と遊戯施設があります。(こちらはオープンしていました)ご家族連れにはおすすめです。
ちなみにチューリップ畑は入場無料で、5ユーロで数十本くらいとお手頃価格で、旅の想い出が手に入ります。ぜひぜひ。
Pluktuin La Fleur
Vrouwenpolderseweg 57, 4353 KA Serooskerke, NETHERLANDS
https://www.pluktuinlafleur.nl/locaties/serooskerke/
(備考)ブリュッセル郊外にも、6月あたりにイチゴを収穫して楽しめるスポットがあります。
https://www.aoitori.be/tourism/kids/fruit-time.html
帰路
最後の「チューリップ狩り」畑からブリュッセルまでは、少々休憩しながら運転して約2時間ほど。17時30分に出て、19時30分前に帰宅しました。
開花や収穫、畑の住所など、事前情報の集めにくい旅なので、それなりに無駄足もありましたが、前から興味のあった地方を見て回ることができて幸せでした。
皆さんの旅のご参考になれば幸いです。
記 21.apr.2019