モネ劇場の予算縮小による人員削減とダンス公演中止の波紋

ブリュッセルのモネ劇場 La Monnaie De Munt は、ミシェル連邦政府の文化予算削減の影響を受けて16の人員を減らさなければならなくなった。2015年のモネ劇場の予算は4450万ユーロ。(2014年の4700万ユーロ)

舞台監督のペーテル・ドゥ・カールウェ Peter de Caluwe 氏は、予算が限られたなかで苦渋の決断を迫られている。モネ劇場の経費削減は、舞台関係者の給料、オペレーションコスト、舞台制作費の3つの分野で予算を削らなければならない。

近々11人が退職し、交代人員は補充しない。また5人は解雇される。予定されていたバロック・プロジェクトとダンスがなくなってしまった。モネ劇場は、内部でできるプロジェクトを温存し、外部からのプロジェクトは減らす方策をとる模様だ。16.dec.2014


 

アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル

現代ダンスの著名なカンパニーRosasは代表の声明を発表した。

 

「モネ劇場のマネジメントがプログラムからすべてのダンス作品をはずすというニュースを聞いて、容易には信じられない気持ちで一杯です。歴史的な文脈からいって、ダンスは常にモネ劇場のミッションの一つであったはずです。Maurice BéjartとJacques Huismanの黄金期の後、ダンスに使われる予算は構造的に切り詰められてきました。

最初はGerard Mortierの時代、さらにBernard Foccroulleがその後を継いだ頃から、モネ劇場がダンスの分野で創造性を発揮することは年々少なくなってきたのです。そして今、Peter De Caluweはすべてをばっさりと切り捨てようとしています。ダンスの世界的首都たるブリュッセルの重要性を鑑みると、この事態ははっきりと異常と言わざるをえません。

ローザスは30年にわたり、パリ、ロンドン、ベルリン、アムステルダム、ニューヨークなど大都市で公演を続けてまいりました。もちろんアントワープ、ゲント、ブリュッセルなどベルギーの都市でも活動をしております。Peter De Caluweの決定が意味するのは、将来的にローザスはブリュッセルに居場所がないということです。つまり、このことは私は他の場所にホームタウンを探しはじめなければならないということでしょうか?」

 

アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル Anne Teresa De Keersmaeker (Rosas)

ブリュッセルにて 2014年12月17日

オリジナル(英語)リンク


 

演劇と国家 ベルギーの連邦化の過程と舞台芸術

(藤井慎太郎/早稲田大学文学学術院教授/2013年2月26日)

論文PDFファイル(日本語)リンク

ベルギーの舞台芸術と国家的な支援について、早稲田大学の藤井教授がまとめられたレポートをご本人のご快諾をいただきリンクさせていただく。

複数言語のコミュニティーが共存する連邦制をとるベルギー独自の文化政策について、その成り立ちや仕組みを詳しく紹介している。