2020年、コロナ禍が長引くベルギーにあって、長い期間をかけた連立交渉が終わった。社会、リベラル、キリスト教、グリーンの7党がまとまるヴィヴァルディ連立で内閣を形成するが、トップの首相を誰にするかという大きな議論もようやく解決した。
ベルギーの新首相はフランダース地方のリベラル政党Open Vldのアレクサンダー・ドゥクロー(Alexander De Croo)に決定した。44歳と若い政治家のプロフィールを紹介する。
1975年11月3日ブリュッセル近郊の町ヴィルヴォールド生まれ。父は連邦議会の議長や大臣を歴任した大物政治家ヘルマン・ドゥクロー。
アレクサンダー・ドゥクローはブリュッセル自由大学(蘭語)を卒業後、ソルヴェー・ビジネス・スクールで経営工学を学び、アメリカのケロッグ経営大学院でMBAを取得。ボストン・コンサルティング・グループ勤務、知財権を扱う自身のコンサルティング会社設立を経て政界入り。
所属は父と同じくOpen Vld。2009年に党首に選出。ディルポ内閣の2012年に副首相・年金担当大臣。続いて第一次ミシェル内閣で2014年から副首相・開発協力・デジタル計画・通信・郵便担当大臣。第二次ミシェル内閣では2018年から財務・開発協力大臣となる。その後ウィルメス内閣に移行した後も同じポストを続投。
男女機会均等について『女性の世紀』という題の書籍を執筆。私生活では妻アニックさんと結婚し、トビアスとガブリエルの二児のパパ。
連立相手の社会党(PS)ポール・マニェットと並んでの記者会見では、米国のバスケットボール選手マイケル・ジョーダンの言葉を引用。
「試合に勝つには個の才能が必要。優勝するにはチームの力が必要」
多様な政治イデオロギーを抱えこんだ連立政権で、果たしてチームとして団結していくことができるだろうか? サラブレッド政治家の手腕が試される。