9月から陽性者増加のベルギーがコロナ措置の一部緩和

9月から陽性者増加のベルギーがコロナ措置の一部緩和

バカンスが終わり、新学期で学校が再開し、多くの会社も新年度を迎えて再スタートを切った。予想されたことだが、コロナのPCR検査で陽性と診断された人の数が日を追うごとに倍増し、その数は3〜4月のピークと同じレベルに達している。ただ、検査数が飛躍的に拡大したので、単純比較はできないが。

陽性者=発症ではない不思議

今回のCovid-19の特徴として、PCR陽性となったからといって、必ずしも症状が出て重症化するというわけではないということが指摘されている。多くの人が薬を処方されることもなく、自宅隔離でやり過ごすというケースも多い。

陽性者の数は一つの目安にしかすぎない。より注意して観察しなければならないのは、重症化して入院という事態に陥ったケースの数だろう。9月22日の最新情報では、53人ほど。そして現在505人が入院状態である。

3月末頃、1日の入院患者数が500人を超え、5000人以上が入院状態にあったことを思い返せば、患者に対応する医療現場の負担は10分の1程度と言える。

陽性者は多いが、重症と死者は少ない」というのが単純な現状のまとめだ。

 

【9月22日時点での状況】
コロナ陽性者 1374件
死者 3.3人
新規入院者 53.1人
(上記は週平均1日あたり)

入院者数 505人
集中治療室の患者数 94人
(9月22日時点)

 

ベルギー政府の対応

この状態を受けて、9月23日、ベルギーの国家安全保障会議が開かれ、ソフィー・ウィルメス首相から今後の方針が発表された。これまでの措置を一部緩和するかたちである。

【面会人数】
・同じ場所に住む家族以外の人と、毎月5人まで接近して会ってもよい。安全な距離をとらなくてもよい。これは各人がそれぞれ5人を選べる。一緒に食事をしたり、お茶をしてもよい。

・マスクをして距離をとる場合は、人数の制限はなし。

【マスク】
・10月1日から、野外ではマスクを着用する義務がなくなる。ただし、混雑する場所は野外でもマスク着用となり、これまで通り店舗など屋内では着用が義務である。

【イベント】
・プロが開催するイベントについては、一律の人数制限は廃止する。個々の会場のキャパに応じて決定される。

・個人のイベントは10人まで(子供を含まず)

【地方ごとのバロメーターを設定】
今後は、感染状況などをバロメーター化し、国と地方でどのような施策をとるか決定していく。

【検査とトレーシング】
現在、1日3万件のテスト能力を、さらに増強して7〜9万件にする。トレーシングに関してもコール・センターを増設して家庭医など現場の負担軽減をする。

【自己隔離の期間】
10月1日から、自己隔離期間はこれまでの14日間から短縮されて7日間となる。この7日が終了したときに検査を受け、結果が陰性であれば自己隔離はすぐに終了する。もし結果が陽性であれば、自己隔離が継続されるシステム。

もし、陽性と診断された人と近しい接触をした場合は、そのときから数えて7日間の自己隔離が求められる。

【渡航後の検査】
レッド・ゾーンからの帰国者は7日間の自己隔離をし、5日目に検査を受ける。オレンジ・ゾーンからの帰国者は検査の必要なしとなる。これらゾーンに48時間以下の滞在だった場合も検査の必要なし。

※ベルギー外務省の発表で、9月25日からレッド・ゾーンは「渡航禁止」ではなく「渡航を控えることを強く推奨」という表現に改められることになった。実質的な変化は少ないが、欧州諸国との足並みを揃えた模様。

 

9月23日のソフィー・ウィルメス首相の会見内容(仏語)

https://www.info-coronavirus.be/fr/news/cns-23-09/

Hiroyuki YamamotoReporter
ブリュッセル在住。青い鳥編集長。ベルギーの政治経済ニュースを現地から発信。多文化国家にして欧州の中心という特殊な状況を読み解き伝える。

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