2020年1月27日に、前ベルギー国王アルベール2世は、デルフィーヌ・ボエル(Delphine Boël)がDNA鑑定の結果、生物学上の娘であると発表した。
ダブル不倫の結果として「王の隠し子」に
以前にも記事で解説したが、1960年代に国王アルベール2世(当時は王子)は、結婚している男爵夫人とダブル不倫関係にあった。
https://www.aoitori.be/news/belgium/delphine_arbert2.html
相手の夫人の娘デルフィーヌ・ボエルは、自分が不倫の結果として生まれたのではないかという疑いを抱き、DNA鑑定による確認を裁判で訴えてきた。
国王側はDNA鑑定に非協力的な姿勢を貫いてきたが、一日5000ユーロの罰金という圧力もあり、DNA鑑定がなされた。その結果、アルベール2世とデルフィーヌ・ボエルの親子関係が科学的に証明された。
ベルギー国民の多くがアルベール2世が隠し子をもうけたこと、またDNA鑑定をかたくなに拒んできたことが不誠実であると非難している。
王室の財産分与はどうなる?
アルベール2世は王妃である妻パオラとの間に3人の子どもがおり、自身が退位してから長子フィリップが現在の国王である。
デルフィーヌ・ボエルが実の娘であるということは、子どもが4人いることになり、王家の称号、給付金、財産分与などについて、法律的な権利が気になるところだ。
まず、彼女は「嫡外子」であり、両親のつながりも国家政府が承認したものではない。ゆえに王家の称号や、国家が与える給付金などは、いっさい手に入れることができない。王女と名乗ることも許されない。
しかし、アルベール2世の個人的な財産について、彼が死去した際には、「子ども」に相続される分は、デルフィーヌ・ボエルも含めた4人が均等に4等分するというのが法律の規定である。
アルベール2世の資産は、憶測によると2000万ユーロ(約24億円)と見積もられている。もしその4分の1にあたる約6億円の財産分与があるとなれば、王の娘と分かることは悪いニュースではない。
7.feb.2020
<<続報>>2020年10月1日、ブリュッセル控訴院が規定を出し、前王アルベール2世の生物学上の娘であるデルフィーヌ・ボエルが、ベルギー王室の称号「王女」を使用できることになった。
前王アルベール2世の隠し子デルフィーヌ・ボエルが正式に「王女」の称号を認められる
https://www.aoitori.be/news/belgium/delphine-boel-albert2.html