フランダース政府の連立合意が形成され、9月30日に記者会見が行われた。
長い交渉の末に地域政府を構成するのは、N-VA、Open Vld、CD&Vの3党。
フランダース分離派、リベラル政党、キリスト教政党という、政治信条としてはあまり親和性の高くない組み合わせの三者だけに、合意するまでに4カ月以上かかった。
首相になるのは最大議席を獲得したN-VAのヤン・ヤンボン氏(Jan Jambon)。向かって左から2人目。
記者会見には、三党の党首も参加した。左からグウェンドリン・ルッテン党首(Open Vld)、ヤンボン氏の隣がバート・ドウェーバー党首(N-VA)、右奥にワウター・ベーケ党首(CD&V)。
Photo : Twitter / Wouter Beke(
Het startschot voor de komende 5 jaar is gegeven. Een verhaal op mensenmaat, met de juiste oranje klemtonen. Samen gaan we er allemaal op vooruit! #vlareg #dichtbij #sterkvlaanderen pic.twitter.com/VlU3tZTxtm
— Wouter Beke (@wbeke) 30 septembre 2019
フランダース政府の大臣キャスティング決定。
次期フランダース首相は、N-VA党のヤン・ヤンボン氏が就任することとなった。それ以外の大臣ポストのキャスティングも発表され、宣誓、議会での承認と着々と政権発足に向けて進んでいる。
大臣に就任するプロフィールを政党ごとに見ていこう。
N-VA(新フラームス同盟)は、ベルギーの南部ワロン地方からのさらなる分離を追求する右派政党。
首相:ヤン・ヤンボン(Jan Jambon)
外交、開発協力、文化、イノベーションの分野でも指揮を振るう。
副首相:ベン・ウェイツ(Ben Weyts)
情報、動物保護、スポーツを担当。
ズハール・デミール(Zuhal Demir)
環境、エネルギー、観光、司法を担当。
移民に否定的な姿勢を取るN-VAでは意外に思えるかもしれないが、トルコ・クルド系の女性議員。
マティアス・ディーペンダーレ(Matthias Diependaele)
財務、予算、住居を担当。
祖父の代から政治の家系で、自身は現在40歳で若手。
CD&V(キリスト教民主フラームス)は、中道右派の政党。
副首相:ヒルデ・クレヴィッツ(Hilde Crevits)
雇用、経済、社会経済、農業を担当。
フランダース政界での実績と人気を誇る女性議員。
ワウター・ベーケ(Wouter Beke)
福祉を担当。
現在45歳と若い政治家だが、2010年からCD&Vの党首を務め、ミシェル内閣でも雇用担当大臣を務めるなど経験は十分。
ベンヤミン・ダーレ(Benjamin Dalle)
ブリュッセル関係、青少年、メディア担当。
37歳の若さで、今回の組閣で一番のサプライズ人事。
Open Vld(フラームス自由民主)は、中道リベラル政党。
リディア・ペーテルス(Lydia Peeters)
モビリティー、公共工事を担当。
バート・ソーメルス(Bart Somers)
内務、共生を担当。
メヘレンの市長として有名。ロンドンのシンクタンクから2016年の世界市長賞を受賞。難民の受け入れと移民のインテグレーションが評価された。