ベルギーの給与所得者は年明けから月収10%アップ?

ベルギーの給与所得者は年明けから月収10%アップ?

ベルギー統計局の発表によると、国内の10月の消費者物価指数は前年同月比で12.27%増となり、1975月6月の12.50%に到達しそうな記録的なインフレ数値となっている。

エネルギー製品と生鮮食料品を除いたインフレ率が約半分の6.5%であることからも分かるように、エネルギー価格の高騰が最大の要因になっている。エネルギーのインフレ率は10月時点で63.03%、電気は84.7%も上昇している。

インフレ率12.27% 記録的な上昇の理由

こうなるとウクライナ戦争によるロシア産ガス資源の供給不安が注目されるが、ベルギーはロシア産ガスを大量に輸入している国ではない。しかし、世界的な価格高騰は深刻な影響を及ぼす。ベルギーのエネルギーミックス統計を見ると、ガスが34.4%と大きな部分を占めている。2021年の秋から欧州ではインフレが発生し、それに戦争が追い打ちをかけたかたちだ。

2023年1月からサラリー増のベルギーの給与所得者

こうした情況が続き、家賃や光熱費、食料、日用品など必要不可欠なものの価格が高騰すると、多くの人々の生活が困窮する。

賃上げ対策に各国が苦慮するなか、他の国にはあまり見られないベルギー独自の制度が注目を集めている。「給与の物価スライド制」である。

ベルギーでは、統計局が発表する物価上昇の指標(インデックス)に合わせてスライドするように、企業の従業員の給料が上昇する。つまり、物価が上がれば、ほぼ自動的にベルギーで働く人々のサラリーも上がるというわけだ。

これまでのインフレ率は1~2%程度の軽微なものだったので、物価連動の賃上げが目立つことはなかったが、急に10%前後も上がるとなれば、従業員にとっては物価スライド制の恩恵は大きい。消費者の購買力が維持されるという大きなメリットもある。

しかし、デメリットはないのか?

 

周辺国とのギャップが産業の競争力を削ぐ?

そもそもベルギーはEU内でデンマークとルクセンブルクに次いで3番目に賃金が高い国である。(2021年)

周辺諸国では、物価の上昇に連動して給与がそこまでタイムリーにあがるわけではない。「同じ仕事でも、ベルギーでは労働力が高い」となれば、産業の競争力が低下すると、経営者側は不安視している。

 

indexation automatique 物価スライド制

ベルギーでは職業別、地域や言語別に労働組合が結成され、雇用主である企業や行政機関、団体と給与や待遇面について交渉が行われる。多くの場合、物価スライド制が組み込まれた条件合意がなされているが、調整が1年ごとか半年ごとかなど、細かい取り決めは組合によって異なる。

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