年金支給開始年齢についての考え(2019年選挙)
そこでビデオ声明を発表。
「年金についてだまされてはいけません。2030年に支給開始年齢が67歳になると法律ではなっていますが、実際には今日60歳からなのが、2030年に63歳に上がるだけです。将来の政府もこれを変えることはないでしょう。
もし仮に今日生まれる子供たちの平均寿命が100歳になるのであれば、1世紀後に調整の必要がでてくるかもしれません。
これは私たちだけではなく、正直な政党ならどこでも、そして年金の専門家たちも言っていることです。
過去に落とし穴を掘った政党を信じるべきではありません。未来のために、きちんと解決策を提案する党を信用すべきです」
・・・という党首の主張に、説得力を感じるかどうか、あなたはどう考えますか?
新フラームス同盟(Nieuw-Vlaamse Alliantie)は、ベルギー北部フランダース地方で勢力を誇る右派政党です。(極右のフラームス・ベランフほどは極端ではない)
2010年には27議席を獲得して第一党になったのですが、政治スタンスの近い政党と組んで組閣に必要な議席数に達せず、交渉が長引いた結果、歴史的な535日間の無政府状態を記録したことは、国際的なニュースにもなりました。
その無政府状態からは、社会党(PS)のエリオ・ディルポが左派連立政府の首相となってようやく組閣が成立しました。そして、第一党なのに野党となったN-VAの党首バート・ド・ウェーヴァー(Bart De Wever)は2012年からアントワープの市長を務めています。
2014年の選挙ではリベラル系政党、キリスト教系政党と「カミカゼ/スウェーデン」連立を形成して連立内閣入りしましたが、2018年に連立から離脱という政治劇を演じました。
ちなみに、ド・ウェーヴァーの昔の写真を見ると別人のように太っています。肥満に苦しんでいた彼は6カ月で50キロの減量に成功し、そのことを記したダイエット本も出版しています。
さて、ブリュッセルで配布された政党のビラやサイトをチェックしてみました。
移民政策
N-VAはポジティブな移民政策を目指しています。つまり、労働力や技術を提供してくれる移民を歓迎するものです。ベルギーに来て働く、もしくは学ぶ人々は社会に積極的な貢献をしてくれます。
経済の競争力をアップさせるために必要な人材が、手続が煩雑だからやってこないとなれば困ります。外国の学生が仕事をしやすいようにすることも、利益につながります。
しかし、受動的な移民(難民、帯同家族)などが多いのが現状です。こうした人々が雇用を見つけることは難しく、移民政策のバランスを崩しています。
言語政策
フランダースのオランダ語話者とブリュッセルのオランダ語話者の結びつきは、構造的に減殺されています。ここでは政治、文化、言語の権利が弱められているのです。N-VAは、あらゆるコミュニティーの相互の尊重を訴えます。しかし、オランダ語話者もブリュッセルにいてそこが自分の街だと感じられるようにすべきです。
ブリュッセルも変化しなければなりません。新しいフランダースのアプローチは、効率的、明確、肝の座った政策です。権利と義務の話でもあり、それこそが飛躍のための改革なのです。
ナディア・スミナーテ議員「社会保障の恩恵を受けるのであれば、それに対して何か対価を支払うのはロジックです。市民の地域社会への同化は権利でもあり義務でもあります。例えば、子供手当を受け取って学校に通っているのに先生とオランダ語で会話ができなかったり、公営住宅に入居しているのに近所の人と話ができないというのは、どうかと思います」
ヨーロッパ
世界は小さな村になってきました。すべてがつながったなかで、欧州連合は一つの国には大きすぎる問題に立ち向かっています。だれがベルギー・フランの通貨に戻りたいでしょうか? 国境で長い車の列を作ったり、商品を輸出入するときの面倒な書類を書いたりしたいでしょうか? ユーロ通貨、統一市場、自衛軍備、力強い外交政策はヨーロッパのレベルで処理するのがしっくりきます。
我々はヨーロッパに対して温かい心を持っているからこそ、欧州連合にあえて要求を突きつけます。欧州連合に懐疑的ではなく、現実的な政党としてです。N-VAはヨーロッパ諸国が協力することに賛成です。それはしっかりとヨーロッパ市民に根ざしたものであるべきです。
欧州連合の異なる国家が、それぞれのアイデンティティーを守ることができることを、N-VAは求めています。欧州連合が頭ごなしに全てを決めるべきではありません。ヨーロッパの連合国、ヨーロッパの超国家というアイデアはよくありません。この連合は下から育つものであって、上から率いられるものではないのです。
新フラームス同盟 N-VA 公式サイト