文化セクターに打撃。ベルギー政府のオミクロン対策

文化セクターに打撃。ベルギー政府のオミクロン対策

ベルギーでもオミクロン株の割合が増えている。ベルギー政府と地方自治体からなる協調委員会は12月22日に会議を開き、予防措置を講じることになった。26日から劇場や映画館が閉鎖されるなど、文化セクターには厳しい内容だが、隣国オランダのようなハードロックダウンは避けられた。

政府発表によると、ベルギーでは現在、感染者数はピークを越えたが、集中治療室の患者数は693人と、軽視できない数字である。

欧州諸国の例に漏れず、ベルギーもオミクロン株が増えており、約27%以上がこの新種の株に置き換わっていると見られている。年末から年始にかけて、この割合は増大していくだろう。

感染力の強いオミクロン株に対しては、重症化を抑えるワクチン接種がもっとも有効であり、いわゆるブースター接種(3回目の追加接種)が重要である。現在、成人の37%がブースター接種を終えているが、1月下旬までには基本的に全員が接種済みになるようスピードを早める努力が続けられている。

【レストラン】

22日、今回の発表で注目されたのは飲食業界の閉店時間が早い時間に変更されるのではないかという点であった。しかし、現在の閉店23時は維持される。レストランやカフェにとっては営業を継続できるという意味では朗報であった。

【文化】(続報あり)

一方、文化セクターに関しては、特に屋内で多くの人が集まる場所に対する制限は強くかけられることになった。

劇場、コンサート会場、映画館などが対象となり、関係者からは4日後から急に公演を中止しなければならないなど、対応に追われることになる。

また、閉鎖の対象には、屋内のクリスマスマーケット、文化の発表や会議、レーザーゲーム、ボーリング場、室内ゲーム場、ペイントボール、スヌーカー、ダーツ、ビリヤード、屋内トランポリンなども含まれる。


(例外で、閉鎖されない場所)
・図書館、玩具館、メディアテーク
・美術館
・社会的弱者向けの活動、訓練など
・結婚式、葬式のためのレセプション会場
・サウナなど健康センター
(以上は、オープンしてよい)

続報:29日(水曜)に再度、協調委員会が開催され、文化セクターへの閉鎖命令は撤回されることに決定された。

人数制限やマスク着用などのルールの適用に戻ることに。

文化業界、政治の世界からの「すべて閉鎖するのは、現在の状況に見合った措置とは言えない」という批判が、政府合意をひっくり返す事態となった。


【スポーツ】

スポーツセクターに関して、厳しい対策はなかった。フィットネス、プールは通常どおり。ただし、レクリエーション的な活動は禁止。遊園地や動物園の室内空間も閉鎖。スポーツのスタージュは夜に活動することは禁止だが、日中は許可される。

屋内、室内またはプロ、アマに関係なく、スポーツイベントすべてにおいて無観客で実施されなければならない。

【ショッピング】

スーパーや食料品店、その他小売店など、買い物は一世帯から2人まで。家族のなかの未成年が同伴するのは許可され、カウントされない。

店側は、10平米あたり客1人という人数制限を遵守しなければならない。もちろん1.5メートルの「社会的距離」を守らなければならない。

【テレワーク】

テレワークは義務であり、1週間に1度だけ職場に行くことができる。

【クリスマスの過ごし方】

クリスマス、年末年始に会える人の人数が制限されるのではないかという憶測もあったが、特に政府のほうから強い制限はなく、できるだけコンタクトを減らしてくださいという「推奨」にとどまった。

具合が少しでも悪いと思ったら、集まりに行くのはやめ、家にとどまろう。

以上の政府施策は12月26日(日曜)から実施される。1月上旬に再評価がなされる予定。

 

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