ベルギー産のワクチンが欧州と世界を救う

ベルギー産のワクチンが欧州と世界を救う

ファイザー・バイオンテック社の新型コロナウイルスに対するワクチンが、欧州委員会で許可され、加盟国で接種が開始されると発表された。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は21日、少量ではあるが、今年度中に加盟国が「同時に、同じ条件で」接種を開始すると宣言した。

欧州委員会の発表(英語)
European Commission authorises first safe and effective vaccine against COVID-19
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_20_2466

このワクチンが製造されたのは、ベルギーのアントワープ州にある小さな村ピュールス(Puurs)である。ここが米国ファイザー社の欧州におけるワクチン製造の拠点で、同社の欧州におけるワクチンの大部分が作られている。ファイザー社(ベルギー)の従業員3300人のうち3000人近くがピュールス工場で働いている。

Labo ©Pfizer

このピュールス村はベルギーの有名なビール銘柄デュヴェルを製造していることで地元民には知られる。ビール工場とワクチン工場は、直線距離で3キロしか離れておらず、同じ地下水を使ってそれぞれの製品を作っている。

欧州連合との契約では、ファイザー社はBNT162b2と呼ばれるメッセンジャーRNAワクチン2億本を提供することが決まっており、追加で1億本を提供する可能性も高い。

ブリュッセルから車で30分という目と鼻の先の場所で製造されているが、生産地だからといって先に入手することはできない。12月26日に最初のワクチンがEU加盟国に配布され、接種がはじまる。2億本すべてが行き渡るのは2021年の9月になると見られている。

ちなみにファイザー社のワクチンを一足先に認可した英国では、マーガレット・キーナンさん(90)が治験以外で最初に接種した女性としてメディアでも取り上げられたが、そのとき注射されたのもピュールス産のワクチンである。

英国ボリス・ジョンソンがツイッターでNHS(国民保健サービス)とワクチン開発に携わった科学者たちに謝意を述べたところ、ベルギーのアレクサンダー・ドゥクロー首相は「欧州産ですよ」と、ツッコミをいれた。

これが「ベルギー産ですよ」でないところにドゥクロー首相の奥ゆかしさがある。バイオンテック社がドイツのマインツの会社であることもそうだが、英国と欧州との間でもめているブレグジット交渉も念頭にあったのかもしれない。

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