対ロシア経済制裁。燃料資源の依存度ゼロへ

対ロシア経済制裁。燃料資源の依存度ゼロへ

2月24日にウクライナ侵攻を開始したロシアに対して、欧米諸国をはじめとした国際社会は経済制裁という形で停戦への圧力を強めている。

さらに今後は、ロシアの対外的な輸出の大部分を占める石油やガスなど燃料について、欧州での依存度を減らしていくという方針が発表された。

 

欧州におけるロシア産エネルギーの現状

ロシアは世界屈指のエネルギー大国で、収入の4割が石油とガスによるものである。その燃料の半分を買っているのが欧州諸国だ。

石油は貿易相手の原産国を変更することは比較的簡単だが、パイプラインや液化された状態で運ばれてくるガスは、特別なインフラ設備が必要であるため急な変更はむずかしい。

特に脱原発を掲げ、グリーン再生エネルギーへの移行期間はガスを構想の中心にしていたドイツにとって、海底パイプライン「ノルドストリーム」でロシアから天然ガスを直輸入する計画に大きな支障が出ることになる。

 

SWIFT継続の露大手銀行

3月20日現在、国際金融取引仲介ネットワークであるSWIFTからロシア貯蓄銀行(スベルバンク)と、ガスプロムバンクは未だに排除されていない。欧州諸国とロシアの間のエネルギー関連の取引をこれら二行が担っているからである。

SWIFTは銀行自体を排除するかどうかは選ぶことができるが、特定の取引に関して選択的にブロックしたり許可したりすることはできないという。

したがって、SWIFTからロシアの銀行すべてを排除した場合は、産業や生活に必要不可欠なガスが、ただちに深刻な不足に陥るシナリオが現実となる。強い経済制裁は「諸刃の剣」でもあるのだ。

 

ヴェルサイユ宮殿のマクロン発言

3月11日に開催されたヴェルサイユ宮殿でのEUサミットにおいて、フランスのマクロン大統領は「欧州はロシアのガスに依存しないようになる必要がある。それが自衛につながるのだ」と述べた。ロシア軍の資金源が自らが買うエネルギーである情況は皮肉でしかない。

アメリカはすでにロシア産燃料資源の禁輸を実施。イギリスも2023年までに石油輸入をゼロにするとの方針を発表した。

EUでは、短期的には液化ガスを代替として使いつつ、2030年までにロシア依存をゼロにする方針。再生可能エネルギーへの転換が「自衛」の一環としても急務となってきた。

 

ロシア産ガス

ベルギーでもロシア産ガスを輸入しているが、割合は約4%ほど。大きな支障が発生する可能性は低いが、国際情勢の緊張で市場価格は記録的に上昇している。

EU全体のガス消費では約4割がロシア産である。東側の国々は7割を越えるところも多く、ドイツは5割ほど。メルケル政権下で敷設したノルドストリームで運ばれている。

 

フランスのマクロン大統領を中心に、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長と、シャルル・ミシェル欧州理事会議長が豪華なヴェルサイユ宮殿を歩く。EU首脳会議の一コマ。

 Photos : European Union 2022

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