欧州委員会が企業5社とはじめた「グリーン消費誓約」

欧州委員会が企業5社とはじめた「グリーン消費誓約」

参加企業5社

欧州委員会の法務担当ディディエ・レンデルス委員(ベルギー)が、1月25日に「グリーン消費誓約」の内容を発表した。

欧州委員会と企業が共同で、よりグリーンで持続可能な社会を目指すというものだ。欧州気候協定のイニシアティブのひとつと位置づけられている。

企業が環境に優しい取り組みをEUの規制よりさらに推進させることで、気候温暖化ガスの排出を削減したり、消費者により持続可能な商品やサービスを提供できるようにする。

レンデルス欧州委員は消費者保護も担当しており、企業の発信する情報が消費者を欺くことがないように目を光らすことも重要な仕事である。  

最初にこのプロジェクトに参加する企業5社のリストが興味深い。ベルギーで有名な大手スーパーのコルロイト、また、スポーツ用品店デカトロン、玩具会社レゴ、化粧品会社ロレアル、洋服メーカーH&Mが名前を連ねている。

 

イメージ戦略では?  

そもそも企業は利潤を追求する組織である。この誓約も「グリーンなイメージをアピールする」という目的にすぎないのではないかと疑問に感じるのもしかたない。格好だけのグリーンウォッシングに、まどわされたくはない。  

その点について、レンデルス委員は、「グリーン消費誓約に署名することで、企業は自主的に欧州連合の採用したカーボンフットプリントの算定方法に従うことになります。欧州委員会と消費者団体、環境NGOがそれを確認するので、情報は比較可能であり、当然公開されることになります」と発言している。

 

ベルギーの取り組み

今回参加を表明したベルギー企業コルロイトは、価格帯の低いスーパーを多店舗経営している。

同社は2030年までに、冷却設備から出る熱を暖房に再利用するなどして排出を40%削減することを目標としている。  ベルギーの地域政府も、2050年までに排出ゼロを目指す欧州グリーンディールの方針に乗っ取り、同様に参加企業を募っている。循環型の経済を達成するために、企業からボトムアップで提案を募集するケースも多い。  欧州連合から出される補助金が確実にインセンティブになっており、官民一体となった活動は盛り上がりを見せている。(編)


キーワード解説
Green Washing 見せかけだけの緑

環境に優しいというイメージを偽装する行為。

英語には昔からホワイトウォッシュ(whitewash)という言葉があり、白い漆喰で壁を塗りつぶすように、不都合なことを隠蔽するという意味で使われていた。  

グリーンウォッシングとは、企業が広告やパッケージのイメージを利用して、自らを環境に配慮した取り組みを行っているというポジティブな印象を演出する一方で、実際の行動が伴っていないことを表現している。  

発表される数字に偽りはないか、本質的に環境や消費者に優しい企業活動なのか、行政も市民も賢く見極めていかなければならない。

Hiroyuki YamamotoReporter
2008年からブリュッセル在住。東京外国語大学卒(英語)。欧州連合(EU)の情報収集と、業界向けの定期ニュース配信を行っている。

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