パリ・ノートルダム寺院の修復工事現場の火災が、ベルギーでも波紋を広げている。突然の緊急事態に、政治家の失言も多発。
キリスト教寺院の筆頭格であるブリュッセルの聖ミシェル大聖堂は、月曜日の夜22時30分に7分間、鐘を鳴らすことで連帯の意を表した。
ブリュッセルのベルギー王立美術館は国旗を半旗にかかげ、芸術と歴史の喪失を嘆いた。
一方で、ベルギーの政治家たちのツイッターでも、手違いや不謹慎が発生してネットを騒がせている。
Wat een pikzwarte dag.
移民局の前大臣テオ・フランケンは、右派らしく硬派な発言と消失したパリ大聖堂の写真をツイートしたつもりが、実は写真がカナダ・モントリオールのノートルダム大聖堂だったという凡ミスをおかしてしまう。
「シリアで古い寺院や聖域がISによって破壊されてしまった後、我々は欧州で最も美しい壮大なキリスト教の建造物を失ってしまった。なんと不幸な日か」
フランケン氏にとっても不幸な二次災害の日になった。
Peux-tu envoyer ce tweet maintenant?
ワロン地方の社会党の政治家、元首相のエリオ・ディルーポ氏は「このツイートをすぐに送ってくれない?」と前置きして文章を書いて秘書に送った。
すると、その秘書は「このツイートをすぐに送ってくれない? ノートルダムが煙に消えた。これは、これは特別な世界遺産だ。・・・(以下略)」と、上司から送られて来たメッセージをそのままコピペして発表してしまった。
仕事はたしかに早いが、雑な作業で変に注目を浴びてしまった。
C'est des briques les copains. Une charpente. Ça se reconstruit.
同じくワロン地方の政治家オパリーヌ・ムニエール(cdH)は、「たかがレンガでしょ。みんな分かってる? 屋根ひとつ。建て直せばいいの。負傷者もいないし。ベルンがテレビで泣いてたけど、あんなのはまやかし。世界には誰かが泣くべき事件がたくさんあるんだから」と、彼女なりの正論をツイート。ネット市民の非難で炎上したのでこのツイートは削除された。
そこで、次のツイートがこれ。
「まあ、多分メディアの報道についての議論としては早すぎたかもしれない。怪我をした方には申しわけない。でも、私は今晩の遺産の喪失を過小評価したわけじゃないわ」と、軌道修正を試みている。
16.apr.2019