スキー旅行は「中止を強く奨励」。2020-21年冬の欧州旅行事情

スキー旅行は「中止を強く奨励」。2020-21年冬の欧州旅行事情

スキーを楽しんだり南の島でのんびり、などという欧州人の冬の過ごし方に、暗雲が立ちこめている。コロナ対策でベルギー外務省は、人の移動を禁止とは言わないまでも「渡航の中止を強く奨励」という言葉で、牽制している。

 

PCR検査と自己隔離

まず、外国に旅行する場合、ベルギーでは48時間以上国外に滞在したら、必要書類に滞在状況などを書いて報告する義務がある。これは特に飛行機で移動するときは、必ず必要になる。車で移動する場合でも、国境でチェックされた場合に問題になる可能性が高い。

Passenger Locator Form
https://travel.info-coronavirus.be/public-health-passenger-locator-form

このフォームを提出すると、行政側から「自己隔離」の案内が送られてくる。

12月18日以降のルールとしては、通常10日間の自己隔離が課せられる。マスクは常時着用で、病院、薬局、スーパーにしか外出できない。また、来客を迎えることも禁止される。

自己隔離7日後にはPRC検査が待っている。

しっかり自己隔離したらPCR検査を受けて、その結果がネガティブ(陰性)であれば、しばらく用心するにしても、厳しい自己隔離からは解放される。

全員を監視することは不可能なので、ランダムに電話連絡や警察の訪問などでチェックし、目に余る違反には罰金や逮捕などの制裁も導入されるだろう。

参照:ベルギー政府のコロナ「自己隔離」(仏語)
https://www.info-coronavirus.be/fr/quarantaine-isolement/

赤く染まった欧州、そして世界

ベルギー外務省発表の地図は、ほぼ真っ赤に塗りつぶされ、かろうじてノルウェー、アイスランド、アイルランドなど、限られた国にオレンジがあるくらいだ。日本も赤、韓国はオレンジ。(12月10日現在 LINK

EUに加盟していないスイスでは、独自のスタンスでコロナ対策を行っている。スキー場は「野外活動」であるので、営業できる。午後7時までと多少の制限があり、小売店など関連施設の営業も制限つきで許可されている。

自己隔離が義務であったり、州によってルールが異なるが、慎重に情報を集めて準備し、ルールの抜け穴を見つけ出せば、この冬スイスでスキーができないわけではない。

スイス政府は一応「スキーは国内の利用者を対象」と言っているが、スイスがどこまで本気で外国からのレジャー客を排除しようとしているかは疑問である。

2020年の春先、北イタリアのスキー場で感染した人々が欧州のコロナ騒動の口火を切ったことを思えば、いかに野外スポーツとはいえ、スキーのイメージはよくない。いや、スキー自体は理論的に安全といえるが、それにともなう活動が心配の種なのだ。

国境検査なしで自由に移動できるシェンゲン協定が、コロナ危機に際しては感染の飛び火につながり、まったくの裏目に出ている。ワクチン接種が安全に実施され、季節がよくなるまで、しばらく我々の自由は封印される。

(写真はイメージです)

Hiroyuki YamamotoReporter
2008年からブリュッセル在住。東京外国語大学卒(英語)。欧州連合(EU)の情報収集と、業界向けの定期ニュース配信を行っている。

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