ルーベンスの家 Rubenshuis

この豪華な邸宅は、画家ルーベンスが生活した家であり、優秀な弟子たちと一緒に工房を築きながら数多くの傑作を生み出したアトリエでもある。1640年に死去するまで、ルーベンスは家族や友人に囲まれ、顧客である貴族や富豪、知識人らを招き、この家で充実した人生を過ごした。

現在はルーベンス自身と同時代の画家の名作を収めた美術館として、アントワープ観光の人気スポットとなっている。

画家の邸宅

宮廷画家として雇用を確保し、アントワープの有力者の娘イザベル・ブラントと結婚した翌年、1610年に若きルーベンスは自邸のための家と土地を購入する。価格は8960ギルダーと自身の手による絵画作品1枚。

改築、増築をしたかったルーベンスは、自ら設計図を描き、古代ローマ建築やルネサンス様式に触発された邸宅を作り出す。工事中は妻イザベラの両親の家に厄介になった。

完成した邸宅は工房が付け加えられ、庭園パビリオン、ドーム付きの半円彫刻ギャラリー、ポルチコが、イタリア風の宮殿を思わせる空間を作り出した。

ルーベンス時代の面影

残念ながら、ルーベンス邸は数々の改築が行われ、ルーベンスが生きていた当時のままの姿を完全には留めていない。

1640年、この家でルーベンスは死去する。二番目の妻エレーヌ・フールマンは1648年から1660年まで亡命中の英国貴族キャヴェンディッシュ家に邸宅を貸した。ウィリアム・キャヴェンディッシュは乗馬の名手であり、乗馬教室が開かれた。

しばらくして遺族は邸宅を売却したが、1750年頃まではルーベンスの時代の面影を残していたようだ。その後、時代の趣味を反映すべくファサードや居住空間は、取り壊しと改築が繰り返された。1798年にはフランス軍に強制接収され、追放を命じられた聖職者の牢屋として使われた時期もある。ナポレオン時代に個人の邸宅となった。

ポルチコ

ポルチコはルーベンスの時代のまま保存されている。ポルチコとはイタリア語で、建物の玄関に導く空間を作り出す列柱のある空間のことである。最も優秀な弟子アンソニー・ヴァン・ダイクによるイザベラの肖像画の背景にも描かれている。

ちなみにポルチコの屋根にある銅像は、画家の守護神メルクリウスと知恵の神ミネルヴァ。

庭園パビリオン

ルーベンス時代から残っているもう一つの建築要素は「庭園パビリオン」。この静かな空間で、画家や知識人が芸術について語り合ったのかもしれない。

現在の庭は、ミュンヘンの古典絵画館にあるルーベンスの絵と、当時の植物に関する資料から再現したもの。

スタジオ

ルーベンスの作品は、この工房で生み出された。といっても、ルーベンス自身は「親方」であり、下絵と仕上げに関与するだけで、実際に色を塗る作業などは別の画家たちに任せていた。

人気作家であるルーベンスには数多くの注文が舞い込む。その需要に応えるため、少数精鋭の優秀な画家仲間や弟子たちを集め、得意分野を活かした分担作業が展開されていたのだ。

住所
Wappers 9-11,
2000 Antwerpen
+32 3 227 36 92

オープン時間
火曜~日曜 10時~17時
*月曜休館、元旦、5月1日、昇天祭、11月1日、12月25日は休館

入場料
一般8ユーロ、25歳以下および65歳以上6ユーロ、12歳以下の子供は無料

オーディオガイド
無料アプリをダウンロードするか、3ユーロで装置のレンタル(蘭、仏、英、独)

公式サイト
http://www.rubenshuis.be/en

 

 

photos (c) Antwerpen Toerisme en Congres, Tomas Kubes, Ans Brys