【企画展】ダリ×マグリット 巨匠シュールレアリストたちの競演

サルヴァドール・ダリ(Salvador Dalí i Domènech 1904-1989)は、言わずと知れたシュールな作風で知られるスペインの画家。派手な衣装に特徴的な口ひげがトレードマークのスターです。

ルネ・マグリット(René Magritte 1898-1967)は、ベルギー出身。ダリより少し年長ですが、同時代のシュルレアリスム画家として活躍しました。地味なスーツにメロン帽と呼ばれる黒い帽子が印象的な人物です。

二人の画家は、それぞれ当時流行の表現スタイルに挑戦していましたが、決定的な影響を受けたのがシュルレアリスム。これはフランスの詩人アンドレ・ブルトンの『シュルレアリスム宣言』(1924年)をきっかけに発展していった芸術運動。リアルな現実世界と、夢の中のような非現実が、混じり合うような不思議さが特徴です。

ダリとマグリットが出会うのは1929年春のパリ。

その年の夏には、ダリに誘われて、マグリットは妻ジョルジェットを伴ってスペイン南部のカダケスに旅します。新しい芸術表現を追い求める同志の二人が、お互いを刺激しあったのは想像に難くありません。

企画展では、マグリットがスペインの海を見て描いた作品(Le temps menaçant)を360度の映像で表現したインスタレーションも楽しめます。

ちなみに、マグリット夫妻がカダケスを訪問したとき、フランス人詩人ポール・エリュアールとその妻エレナ・イヴァノヴナ・ディアコノワ(通称ガラ)も一緒でした。ここでダリはガラに恋をして、数年後には略奪愛で結婚してしまいます。

今回の展覧会では、いくつかのテーマやモチーフに分けて、ダリとマグリットの作風を比較できるよう作品展示されています。夢と幻覚、文字とイメージ、物体と炎、ジョルジェットとガラ、、、など。

並べてみると、なるほどダリとマグリットの手法の類似性がよく見えてきます。そして、個性の違いも同時に際立ってくるから不思議です。

 

【企画展 ダリ × マグリット】

住所:
Musées royaux des Beaux-Arts de Belgique
Rue de la Régence 3, 1000 Bruxelles

会期:
2019年10月11日〜2020年2月9日まで【会期延長2月16日まで!】【終了】

開館時間:
火曜〜金曜 : 10:00 - 17:00
週末 : 11:00 - 18:00
※月曜はクローズ。※閉館30分前にチケット売り場は閉まります。

入場料:大人16ユーロ(65歳以上、26歳以下など割引あり)通常のマグリット美術館は別料金です。

サイト:
https://www.fine-arts-museum.be/en/exhibitions/dali-magritte