キリスト教の聖書は「創世記」からはじまります。神がいかにしてこの世界と人間を創造したのか、その過程が描かれているのですが、春の暖かい日に久しぶりに読み返してみると昔とは違う感覚を覚えました。
第一日目、天地を創造した神は「光あれ」と言って昼と夜を分ける。二日目、大空を造る。三日目、水を分けて乾いた地上を造り、草や果樹を芽生えさせる。四日目、太陽と月を造り、年月日や季節の印とする。五日目、大空に鳥、海に魚などを創造。六日目、家畜その他の生き物を創造し、それを支配させるために人間を創造する。第七日目は仕事に疲れ安息。
神は東の方のエデンに園を設けて、土の塵から作り出した最初の人間アダムをそこに住まわせます。園の中央には「命の木」と「善悪の知識の木」がありました。
アダムに向かって神は言いつけます。「善悪の知識の木からは、決して食べてはならない」。こうした禁止条項は、約束が破られる前の伏線みたいなところがありますね。
女性の伴侶であるエバが賢い蛇にそそのかされて知識の実を食べ、夫もすすめられるまま口にしてしまいました。知識を得た夫婦は、自分たちの裸であることに羞恥心を覚え、いちじくの葉をつづりあわせて腰を覆います。
これに怒った神は、男には食料を得るための労働を、女性は出産時の苦しみという「呪い」をかけ、楽園から追放してしまいます。さらに、人間が命の木からも実を食べて永遠の生命を得てしまうことを恐れて、ケルビムときらめく剣の炎を置いて、命の木への道を守ることにしました。
厳格な神の呪いは今も解けず、人間は今も額に汗して働いています。ただし知識の実を食べたおかげでしょうか、人工知能AIなんて開発して、機械に仕事を押し付けようとしていたり。出産の苦しみは無痛分娩で多少は解消できたでしょうか。永遠の命の実現はなかなか難しいものがありますが、幹細胞治療がその扉を開いてくれるかもしれません。
アダムとエバが追放された楽園、パラダイスという言葉ですが、語源をたどると古く紀元前1千年紀にさかのぼります。イラン人の祖先であるメディア人たちが、粘土など型にはめて作った壁で囲われた場所を「パリ・ダイザ」と言ったのが起源です。聖書が書かれるもっと昔から、人間は楽しい園を築いてきたのでしょう。
我々現代人も、ふと緑の空間に出会うと嬉しくなりますね。あれ、こんなところに都会のオアシスがある、なんて気づく瞬間、アダムとエバの太古の記憶につながるのではないかな。
さあ今回の特集は、新緑美しいブリュッセルにある秘密の園へ皆様をご招待します。
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