青い鳥1月号
「これはパイプではない」で有名なルネ・マグリット(René Magritte 1898-1967)は、今でこそベルギーを代表する有名な画家で、ブリュッセルの王立美術館には彼の作品だけを展示する別館があるほどですが、意外にも遅咲きといいますか無名時代が長く、50歳を過ぎるまでは描いた絵が思うように売れることはありませんでした。
若い頃は壁紙の工場で作画の仕事をしたり、広告デザイナーとして細々とポスターなどを手がけたりしながら、郊外の小さな家に住んで地味な暮らしを続けてきたのです。画家としては、シューレアリスムという新しい芸術運動のなかで様々な作風に挑戦しては失敗し、という生みの苦しみを味わっていました。
そんなマグリットの趣味はチェス。地味なネクタイ・スーツに黒い帽子の装いで、ブリュッセルの街中にある馴染みのチェス・カフェ「ル・グリーンウィッチ」に出かけていきました。銀行員や会計士などが主な対戦相手だったそうです。創作活動は孤独ですから、話し相手が欲しかったのかもしれませんね。
実は絵画のなかにもチェスのモチーフが数多く登場します。白と黒の格子柄のボードや、丸い頭のついた駒。趣味と芸術世界が見事に融合しています。美術館にお出かけの際は少し注目してご覧になっていただければと思います。
ところで皆さんはチェスの駒の動かし方はご存知ですか?
私も年末の暇な時間に物入れからボードと駒を引っ張り出して並べてみようとしたら、王と女王の位置が分からず、将棋の歩であるポーンがどう動くのか忘れていたりと、説明書を読み直すことになりました。将棋のほうが少しは慣れているのですが。
さて、2025年もいよいよ開幕です。干支はヘビ。 今年一年、皆様が健康で充実した日々をお過ごしになられますよう、編集部一同心より祈念いたしております。
ベルギー青い鳥 編集長 山本浩幸
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