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青い鳥12月号

12月号のために、クリスマスの素敵な物語はないかなと探していたら、まさに灯台下暗し。ベルギーの作家モーリス・メーテルリンクが書いた演劇作品『青い鳥』が、クリスマス前夜の出来事を描いているものだと気がつきました。

物語は、貧しい木こりの家に生まれた兄と妹、チルチルとミチルが「クリスマスのおじいさん」が、今年はプレゼントを持ってきてくれないと嘆くところからはじまります。お母さんが忙しくて、街に行ってお願いをすることができなかったからです。

近所のお金持ちの家では、子供たちが美味しいお菓子を好きなだけ食べて、クリスマスツリーのある明るい部屋で楽しく踊って過ごしています。

兄妹が豊かな生活をうらやましく見ていると、妖女が現れて、病気を患っている自分の娘のために、幸せをもたらす青い鳥を探してこいと命じるのです。チルチルも鳥を一羽飼っているのですが、それはあまり青くないのでだめだと妖女は言います。

魔法のダイヤモンドがついた青い帽子をかぶったチルチルと妹のミチルは青い鳥を探す旅に出ます。イヌやネコ、パンや砂糖まで会話をはじめる不思議な世界で、人間にとって幸福とはなにか哲学的な問答が繰り広げられるのです。

幸福はどのようにしたら手に入るものでしょうか? 物質的な豊かさ、健康や美しさ、家族が元気でいること、恐怖や不安から解放されること。この夢のように美しい劇は逆説的に、現実の世界で完全な幸福を得るのは不可能であると教えてくれます。それより、ありふれた日常のなかで、上手に幸せを見つけることが大切だと作者は言いたかったのかもしれません。

今号で小誌『青い鳥』のほうは丸5年、60号となりました。理想の幸福はなかなか見つかりませんが、この国の社会、そしてここに生きる人々の物語は興味深く、今後も追い求めていきたいと願っています。

今年一年、読者の皆様、関係者の皆様には大変お世話になりました。素敵な年の暮れを健康で楽しくお過ごしになられますよう、心より祈念いたしております。それでは、よいお年を!

ベルギー青い鳥 編集長 山本浩幸

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