Roméo et Juliette「ロメオとジュリエット」

Roméo et Juliette「ロメオとジュリエット」

誰もがご存知のシェークスピアの有名なこの戯曲を、バッハ作曲のピアノ曲にメロディを付けた有名な「アヴェ・マリア」を作曲したフランス人作曲家グノーが、美しいオペラにした。

台本は、フランス人J.BarbierとM.Carréで、この2人はグノーなど他の作曲者のオペラでも度々共同制作している。作曲者の9作目のオペラで、1867年の初演時は丁度パリ万国博覧会が開催中で、フランス各地や国外の聴衆が押しかけ大成功を収め、その年のうちに英国、ドイツ、ベルギーでも上演された。今回は女流演出家J. Burbachの演出で、女流指揮者V. Peleggiがモネ劇場初登場し、耽美で壮麗なメロディに満ち溢れたこのオペラを届ける。

第1幕のアリア「私は夢に生きたい」、第2幕のアリア「恋よ、恋よ」や第3幕の「白いきじ鳩よ」は特に有名。原作にほぼ忠実だが、最後の幕切れは、服毒したロメオがまだ息のあるうちにジュリエットが蘇生して、オペラらしく愛の二重唱を歌い死を共にする幕になっている。

全5幕、フランス語

 

Roméo et Juliette「ロメオとジュリエット」

作曲:Charles Gounod(グノー 1818~1893年)

指揮:Valentina Peleggi 演出:Julia Burbach 

公演日:9月29日、10月1,3,4,8、9,11,13,14,16,17日

開演:19h 日曜日と10月17日(土)は15h

チケット発売開始日:6月16日

初演:1867年4月27日 パリ リリック劇場

 

あらすじ

プロローグ

管弦楽による激しい嵐を想像させる序奏で、イタリアのヴェローナの2つの名家の憎しみが描かれ、これから始まる悲劇のあらましが合唱によって説明されて幕が上がる。

 

第1幕 

キャピュレット家の仮面舞踏会のために集まった紳士淑女たち。

家の当主キャピュレット卿(バス)が、パリス伯爵との結婚を間近に控えた娘ジュリエット(ソプラノ)を紹介し、皆はその美しさにたちまち魅了される。

踊り疲れた客人たちが移動し、ジュリエットもパリス伯爵(バリトン)と退場する。

そこへ、キャピュレット家と敵対するモンタギュー家のロメオ(テノール)が、かつての恋人に会うために、同様に仮面を付けた親友メルキューシオ(バリトン)や、友人と共にお忍びでやって来る。

友人たちは「仮面を取ってひと暴れしよう」と企むが、ロメオがこれを制する。メルキューシオは浮かないロメオをからかって、アリア《マブ女王のバラード(アイルランドの妖精の女王マブ)》を歌い、彼と部屋を移動する。

そこに、ジュリエットが乳母ジェルトリュード(メゾソプラノ)と登場。乳母が「パリス伯との結婚も近いのでしょう」言うので、ジュリエットは、青春を謳歌したいと有名なワルツ《私は夢に生きたい》を歌う。

家老グレゴリオ(バリトン)が乳母を呼び、一人残ったジュリエットにロメオが話しかけ、お互いに一瞬で恋に落ちる。

そこにジュリエットの従兄ティボルト(テノール)が彼女を呼びに来たため、ロメオは慌てて仮面をつけ、彼女がキャピュレット家の娘であることを知って内心驚き、さりげなく立ち去る。

一方、ティボルトは、声で彼が仇敵モンタギュー家のロメオであることを見抜いて「殺してやる」と彼を追う。

ロメオを見つけたティボルトは仲間と剣を抜こうとするが、すぐに現れたキャピュレット卿の諫めによって抑えられ、ロメオは友人たちと足早にその場から去っていく。

 

第2幕 

ロメオは彼の小姓ステファノ(ソプラノ)の手助けで、ジュリエットの家の庭に忍び込み、彼女への想いを込めた有名なアリア《恋よ、恋よ》を歌う。

一方、ジュリエットはバルコニーに出て、ロメオへの思いを一人夜闇に告白する。

それを聞いたロメオが姿を現し、2人は愛の言葉を交わす。家老や下男の夜の見回りや乳母の声に妨げられながらも、2人は愛の二重唱を歌う。

やがてジュリエットは別れを惜しみながら部屋に入り、ロメオは愛の喜びの余韻に浸りながら去る。

 

第3幕

第1場 

夜明け、ロメオはローラン神父(バス)の庵室を訪問し、ジュリエットとの恋を打ち明ける。

そこにジュリエットも乳母とともに秘かに訪ねて来て、2人は神父に神の前での結婚を願う。

長年の間、敵対してきた両家の憎しみ合いが、この2人の結婚によって解消されることを期待したローラン神父は、2人に結婚の儀式と祝福を与える。

 

第2場 

一方、主人ロメオを探しに来た小姓ステファノが、キャピュレット家の近くの通りで同家を揶揄するかのようなシャンソン《白いきじ鳩よ》を歌う。

それを聴いて怒りに震えたキャピュレット家の家老グレゴリオが下男たちとステファノを取り囲む。

通りかかったロメオの親友メルキューシオや友人が「子どもを襲うとは卑劣」と剣を抜き、これに乗じてキャピュレット家のティボルトと仲間も加勢し、両家の激しい決闘となる。

騒ぎを聞き駆けつけたロメオは2人を制止するが、その隙にティボルトの剣がメルキュシオに刺さり、そのまま息絶えてしまう。

親友の死を目の前で目撃したロメオは、剣を抜いてティボルトを倒す。

市民たちが集まり、ヴェローナ大公(バス)も現れて、ロメオを町から追放する条件でその場を収め、両家の面々に対し強く諫める。

 

第4幕

第1場 

追放を命じられたロメオは、別れを告げるために秘かにジュリエットの部屋を訪れる。

彼女は、ロメオに従兄ティボルトの殺害を許し、2人は愛の幸福の中で二重唱を歌う。

夜明けには去らなければならないロメオは「死んでもここに留まる」と決心するが、彼女のたっての願いで、立ち去ることにし別れの抱擁を繰り返して去ってゆく。

1人残ったジュリエットのもとに父キャピュレット卿がローラン神父とともに現れ、パリス伯爵との結婚を命じる。

ローラン神父は、キャピュレット卿の退出後、絶望に打ちひしがれたジュリエットに、一日仮死状態になれる薬を与え、目覚めた後、墓から愛する夫ロメオとともに逃げるようにと告げる。

一人残されたジュリエットは逡巡するが、決心を固める。

 

第2場 

キャピュレット家の宮殿の回廊では、ジュリエットとパリス伯爵との結婚式が行われている。

キャピュレット卿の言葉で、伯爵がジュリエットの指に指輪をはめようとした瞬間、彼女は突然倒れて仮死状態となり、周囲はただ驚愕するのみである。

 

第5幕

ローラン神父からの計画の伝言が遅れてしまったため、この計画について知る由もないロメオは、ジュリエットの死を聞き真実と信じて、すぐにキャピュレット家の墓所へ駆けつける。

愛する新妻の死を目の当たりにしたロメオは絶望し、自ら持っていた毒薬を飲む。

その直後にジュリエットが目覚め、驚くロメオの腕に飛び込み、二人は一瞬幸せな抱擁をする。

しかし全身に毒がまわったロメオはジュリエットの腕の中に崩れる。

彼が毒を飲んだことを知ったジュリエットは、彼を追って短剣で自らの胸を刺し、二人は最後の口づけを交わして息絶え幕となる。