「薔薇の騎士」や「サロメ」で知られるドイツの作曲家R. シュトラウスと、彼のほとんどのオペラの台本を書いたウィーンの作家ホーフマンスタール(1874~1929)の黄金コンビによる作品。
1912年に、モリエール(1622~73)作の喜劇「町人貴族」終幕後の劇中劇として初演されたが、長すぎて不評に終わった。
そこで大幅に改作され、まったく様式の異なる悲劇と喜劇、高尚なものと大衆的なものを融合させるという狙いはそのままに、当初の喜劇「町人貴族」を排除し、代わりに序劇を付けて1幕のオペラとした。
この独創的な改訂版は1916に初演され、大成功をおさめた。
管弦楽編成も作曲者R. シュトラウスのオペラでは稀な36人だけである。
ドイツ語 序劇と1幕
Ariadne auf Naxos「ナクソス島のアリアドネ」
作曲 Richard Strauss 1864-1949 リヒャルト・シュトラウス
初演 1916年10月4日 ウィーン宮廷歌劇場
指揮 Ariane Matiakh
演出 Mariusz Trelinski
公演日 2027年1月24、26、28、31日、2月2、5、7、9日
開演時間 19:30 日曜日 15:00
チケット発売開始11月27日
https://www.lamonnaiedemunt.be/en/program/3934-ariadne-auf-naxos
詳しいあらすじ:
序劇
ウィーンの富豪の邸宅内にある小劇場の舞台裏では、晩餐後に上演する新作のギリシャ悲劇「ナクソス島のアリアドネ」の準備に追われている。
舞台監督兼音楽教師(バリトン)は、邸宅の執事長(語り)から、オペラの後に茶番喜劇も上演されると知らされ「我々の芸術作品をそんな俗なものと一緒にされては困る」と抗議するが、執事長はスポンサーの絶対命令だと釘を刺す。
そこに仕官(テノール)が、下僕(バス)の案内で喜劇の踊り子ツェルビネッタの控室に入る。
音楽教師の弟子で今夜のオペラを作曲した若い作曲家(ソプラノ)は「少し直したい所があるのだが」とアリアドネ役のプリマ・ドンナを探すが、下僕に「彼女はいません」と嘲笑される。
バッカス役のテノール歌手(テノール)が「こんなのがバッカスのかつらか」と怒ってかつら師を控室から追い出し、作曲家は頭に浮かんだ旋律を書き留めるために紙を求める。
ネグリジェ姿の喜劇の踊り子ツェルビネッタ(ソプラノ)が、控室から士官と出てきて、作曲家は彼女の美しさに魅惑されるが、音楽教師から「今晩オペラの後に茶番喜劇が上演されることになり、彼女はその踊り子だ」と聞かされ、「彼らに芸術が解るのか」と激怒する。
4人の道化師がツェルビネッタと支度を始め、出てきたアリアドネ役のプリマ・ドンナ(ソプラノ)が彼らを見て「こんな人たちと同じ舞台に立たされるなんて」と怒る。
ツェルビネッタと彼女の舞踏教師(テノール)が「退屈なオペラの口直しには道化は丁度良い」と言い返す。
そこへ再び執事長が、「最後の花火を定刻に始めるために、主人の命令で悲劇《ナクソス島のアリアドネ》と茶番劇《浮気なツェルビネッタと4人の恋人たち》は同時に公演する趣向となった」と伝え、茶番劇側は得意の即興でとその趣向に大賛成。
しかし作曲家は「もうやめてしまおう」と絶望し、音楽教師は「今後半年どうやって暮らすのか」と彼を諭す。
舞踏教師はツェルビネッタに悲劇アリアドネの筋書きを説明し、彼女は男に捨てられても一途に想い続け「死ぬ」とまで言うヒロインの役を笑いながらも「道化師たちと即興でその筋書きにうまく加わるから」と作曲家を励ます。
彼女のコケットな美しさに惹かれた作曲家は、気分を変えてこの上演に乗り気になったと言うが、開幕前に喜劇役者たちがガヤガヤ通り過ぎるのを見て「神聖な芸術が汚されることを許すべきではなかった」と後悔する。
オペラ
短い序曲の後幕が開くと、舞台は孤島ナクソス。
クレタのミノス王の娘アリアドネは、命を助けたテセウスから無情にもこの孤島に置き去りにされて、想い続ける彼が戻らないならば死をと神に願っている。
水の精(ソプラノ)、木の精(アルト)、やまびこエコー(ソプラノ)の3人に妖精たちが、彼女に同情しながらも「彼女の嘆き声にはもう慣れっこになった」と美しく歌う。
即興茶番劇のツェルビネッタと4人の道化師が現れ、アリアドネを慰めるが、彼女はますます悲嘆にくれてアリア«総てのものが清らかな国がある»を歌って、死の使いが早く迎えに来ることを祈る。
ツェルビネッタは道化師を退かせて、超絶技巧の有名なアリア«偉大な女王様»で、「男は誠の無いもの、女心はたやすく変わりうるもの、1つの愛が去れば新しい愛がやって来る」と陽気に歌う。
アリアドネは洞窟に入ってしまい、1人残ったツェルビネッタを道化師の1人ハルレキン(バリトン)が誘惑しようとする。
他の3人も各々彼女に言い寄り、一同が一緒に踊るすきに、彼女はハルレキンと逃げ、残りの3人はずるいと言いながら退場。
3人妖精が再び現れて、酒神バッカス(テノール)の到着を告げる。
バッカスの声を聞いたアリアドネは、やっと死の神が迎えに来たと思い込み近づき、「長い間待っていた。連れて行ってください」と言う。
バッカスは、彼女のあまりの美しさに驚きながら「私は神バッカスで、もし貴女が死ぬのなら永遠の星が死ぬであろう」と言う。
アドリアネは、その威厳に畏れ地にひれ伏し、バッカスは彼女を優しく起こして静かに接吻する。
するとアリアドネの心から死が消え、生への喜びが蘇って来る。
ツェルビネッタが現れ、「1人の男がいなくなれば新しい男を見つければいいだけ」という彼女の主張する道化芝居もハッピーエンドとなり喜ぶ。
アリアドネはバッカスに抱かれて洞窟に消えて行き幕となる。

