Idomeneo 「イドメネオ」

Idomeneo 「イドメネオ」

モーツァルトがミュンヘンのバイエルン選帝侯の依頼を受け25歳の時に完成したこのオペラ・セリア(高貴でシリアスなオペラ)は、彼のオペラの最初の大成功作品となった。

ギリシャ悲劇を題材にしたA. Danchetの台本を基にG.B. Varescoが台本を書き、モーツァルトも台本制作に深くかかわった。

初演以来様々な改訂版があるが、モーツァルト自身が、作品として最も完成度が高いオペラと発言したとされる、深い感情表現を持ち、迫力のある18世紀オペラセリアの最高傑作の1つ。

 

Idomeneo 「イドメネオ」

作曲:Wolfgang Amadeus Mozart(モーツァルト1756~1791)

指揮:Enrico Onofri 演出:Calixto Bieito

公演日:開演時間19h 3月10,12,18,20,24,26,28日 

    開演時間15h 3月14,22日

初演:ミュンヘン1781年1月29日

全3幕 イタリア語

 

簡単なあらすじ:

トロイア戦争後、ギリシャに負けたトロイアの王女イリアは、クレタ島で捕虜となり、またアルゴスの王女エレットラも同じ島に亡命中である。

クレタ島の王イドメネオは長いトロイア戦争からの帰途にあり、その息子、まだ互いに顔を知らないイダマンテはクレタ島で父の帰りを待っていて、捕虜のイリアと互いに想いを寄せている。

海路に嵐に襲われたイドメネオ王は、海神ネプチューンに「自分たちの命を助ける代わりに、岸辺で出会った最初の人間を生贄として神に捧げる」という誓いをし、受け入れられて一命をとりとめる。

しかし最初に出迎えた人間は息子イダマンテ。

息子を想う王の苦悩、イダマンテを巡るイリアとエレットラの愛憎。

最後には海神ネプチューンの神託によってハッピーエンドで幕となる。

 

詳しいあらすじ:

第1幕
クレタの王イドメネオ(テノール)は、トロイアを陥落後、トロイア王の娘、王女イーリアを戦利品としてもらい、船で帰国の途中嵐に会って遭難する。

彼は海神ネプチューンの怒りを鎮めるために「助かったら、陸で最初に会った人間を生贄(いけにえ)に捧げる」と誓う。

一方、遭難した王女イーリア(ソプラノ)は、クレタ島で父王の帰りを待っていた王子イダマンテ(メゾソプラノ)に助けられて、クレタの王宮で囚われの身になっている。

彼女はイダマンテを敵国の王子と知りながら恋してしまった苦しさをアリア「さらば、父よ、兄よ」で歌う。

イダマンテが現れ、父王イドメネオの勝利を知らせて、トロイアの捕虜たちに自由を与えると告げ、イーリアには愛を告白する。

イーリアは「私達は敵同士だ」と拒むが、イダマンテは「それは私のせいではない」と歌う。

鎖から放たれて喜ぶトロイアの捕虜たちを見て、アガメムノン王の娘で、このクレタ島に来ていたエレクトラ(ソプラノ)は、捕虜の解放に反対するが、イダマンテは耳を貸さない。

そこへイドメネオの親友で家臣のアルバーチェ(バリトン)が、王イドメネオは遭難して死亡したと告げ、人々は悲しみに沈む。

イダマンテを愛するエレクトラは、悲しむイダマンテと、彼を慰(なぐさ)めるイーリアの2人を見て、嫉妬と復讐の念に燃える。

死んでいなかったイドメネオ王が上陸して「最初に会った人間を生贄として海神に捧げる」と誓った事を後悔していると、息子イダマンテが通りかかり、父とは知らずに声をかける。

イドメネオは、自分は王で、生きていたことを打ち明けるが、息子を生贄にする運命を悲しんで逃げ去る。

イダマンテは、死んだと思っていた父にせっかく会えたのにと悲嘆に暮れる。

女たちが、イドメネオと共に上陸した兵士たちを迎えて、一同、海神に感謝の合唱を歌う。

 

第2幕 
イドメネオは、自分の息子を生贄に捧げなければならなくなった事情をアルバーチェに説明し、彼の忠告に従って、イダマンテをエレクトラと一緒にアルゴスに行かせて、海神の鎮まりを待つことにする。

イーリアは、イダマンテがエレクトラと一緒に行くことを知って、彼がエレクトラを愛しているのだと思い嘆く。

イーリアが息子を愛していることを知ったイドメネオは、さらに深く悩む。

一方、エレクトラは、愛する王子と故国に行けることの喜びを歌う。

イダマンテが、イーリアに心を残しながらも、父王の厳命に従ってエレクトラと船出しようとすると、突然嵐が起こって怪獣が現れ、人々は海神の怒りを怖れ、イドメネオは「罪は自分にあるのだ」と叫ぶ。

 

第3幕 
イーリアが「そよ風に私の愛の告白を運んで」とアリアを歌っていると、イダマンテが現れ「怪獣を退治しに行く」と告げ、2人は互いに愛を告白し二重唱を歌う。

イドメネオとエレクトラが現れ、イダマンテは父王に「何故自分を避けるのか」と尋ねるが、イドメネオは答えられず、4人はそれぞれの思いを四重唱で歌う。

大祭司(テノール)が「海神に生贄が必要だ」とイドメネオに迫り、王は息子を自らの手で生贄にすることを告げ、人々は呆然とする。

怪獣を退治したイダマンテが、勝利の合唱とともに帰還するが、父王の真意を知り、自ら父王の斧の前に進み出る。

そこへイーリアが駆け寄って「私は敵国の王女、私こそ生贄にふさわしい」と言って、イダマンテの身替わりになることを申し出るが、イダマンテは必死にそれを止める。

海神の像が動いて、神託の声が愛の勝利を讃え「イドメネオは退位し、イダマンテがイーリアを王妃として即位するように」と響く。

エレクトラは怒り、立ち去るが、人々の喜びの大合唱で幕となる。