「隣の芝は青い」と日本語で言いますが、フランス語やオランダ語では、何と言うのでしょう?
答えは直訳で簡単。
(仏)L'herbe est toujours plus verte ailleurs.
(蘭)Het gras is altijd groener aan de overkant.
フランス語だと「ハーブ」なんだな〜と妙に感心してしまいます。
この表現の語源を調べてみましたが、どうも英語であることは確かのようで、The grass is always greener on the other side of the fence. という表現から各国の言語に展開していったようです。
芝生に関して言うと、美しい庭の構成要素としてのそれは近代の産物で、19世紀か、20世紀初頭くらいに登場したものとなれば、この言葉自体の誕生は「最近」であると考えなければならないでしょう。
しかし、英語以前にも似たような表現は歴史的に散見されて、一説には古代ローマには「隣の作物の出来は、うちよりも素晴らしく見えてしまう」という表現もあったようで。
各国の言葉使いを厳密に見ていくと多少違いますが、「別のところ」「向こう側」「隣人」など、自分のテリトリーでない所の芝生は常に美しく見えるというのは、人類普遍の共通心理のようです。
いや、動物ならば、他者の所有しているものに関してジェラシーを抱くというのは、脳のなかで本能が敏感に働くことで、絶対に生じてしまう感情なのかも。
日本語の「隣の芝」というのは、どうも欧州各国言語にある表現の翻訳のようで・・・。日本語に元来存在していたであろう表現は世界的潮流に飲み込まれて、消滅してしまったのでしょう。
そこをいくと、中国は素晴らしい。
隔離飯香。
太陽が傾き、家路を急ぐ人が、ふと隣家から漂う夕餉の美味しそうな香りに、今晩お隣はご馳走かな?と想像してしまうシーンが目に浮かぶようです。
ベルギーなら、それはステーキ&フリッツの匂いでしょうか?
3.sep.2019 by Tyltyl