ミチルのひとりごと 家族のために頑張るお父さん、父の日おめでとう!

弟の誕生日は6月20日。父の日と同じ頃で、この時期、私は男性に何をプレゼントすれば喜んでもらえるのだろうと、いつも頭を悩ませる。偏見かもしれないが、男性は女性に比べてプレゼントの種類が少ないと思う。

しかも、女性ほどプレゼントをもらってもそんなに喜んでくれない気がする。私のまわりにいる男性たちが、感情表現を苦手としているだけなのかもしれないが、時間をかけて一生懸命選んでプレゼントしたものを、さらっと受け取られてしまうと、なんだか物足りないというか、損をしたような気分になる。

「手頃なプレゼント」というのが難しい。昔、父の日のプレゼントは、ネクタイが定番だったが、最近ネクタイなんてみんなしなくなった。コロナ禍を境に、男性の服装は激変したというのが私の感想だ。上顧客であるベルギー企業の男性重役は、コロナになって、持っていたネクタイをほとんど処分した、と言って笑っていた。

ヨーロッパに赴任している日本人のお父さんたちは、どのような父の日を過ごすのだろうか。昔は「単身赴任」で駐在というパターンが多かった。最近は家族と一緒の方も多いが、なくなったわけではない。

私の知り合いに単身赴任を選んだ理由を聞いたところ、ほとんどが、子供の教育のため、受験のため、もしくは親の介護のためだという。最近では、妻の仕事の関係で、というパターンもある。もしくは、女性のほうが夫と子供を日本に残して単身赴任という場合も。

実は、ミチルの父も私が高校生の3年間、海外でこそなかったが、日本国内で単身赴任をしていた。私の高校のことを考えて、という理由だったが、本当にそれが私のために必要だったのかと疑問である。今思うと、できることなら父と一緒に3年間暮らしていたかった。それなのに当時の私は父の大変さを分かりもせず、毎週末に帰ってくる父と時間を作って過ごすどころか、友達と遊びにでかけて家にいなかった。

だから、単身で駐在している方から「子供は夏休みにも遊びに来てくれない。たまに帰国しても、あまり構ってもらえない」という話を聞くと、昔の自分を思い出して、胸がチクチクと痛むのである。

欧米では「単身赴任」という言葉自体が存在しない。しかし、まったくありえないわけでもないらしい。ブリュッセルのEU機関で働く英国人から、家族をロンドンにおいたまま、ブリュッセルに小さなアパートを借り、月曜から金曜まで当地で働き、金曜日の仕事の後ユーロスターでロンドンへ帰り、月曜日の朝またこちらへ戻る、という生活をしていると聞いたことがある。ブレグジット前のことだ。

しかし一般的に、ヨーロッパで「単身赴任」というシステムを理解してもらうのは難しい。ヨーロッパ人の第一優先順位はファミリーである。家族と過ごす時間が何よりも大切で、そのために仕事をしているのに、単身赴任なんて本末転倒というか、仕事のために家族を犠牲にしているように見える。

日本企業と欧州企業の大きな違いは、最終決定権がどこにあるのかという点だろう。日本の場合、企業側が社員の異動を否応なしに決めるのに対して、ヨーロッパの場合、企業は異動についてオファーはするが、最終決定は、当事者である社員に委ねられる。

そうは言っても、ここ数年コロナの影響もあり、日本企業のなかでも急速に変わってきているところもあるだろうが、まだ少数派という印象である。社員が望んでいる場合は別として、会社は単身赴任という制度を強要しないでほしいと思うのは、私だけだろうか?

今年の父の日は6月9日。なんだか照れくさくて、なかなかお父さんに「ありがとう」という機会はないから、この機会は逃したくないですね。


家族のために頑張るお父さん、いつも本当にありがとう!

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