アントワープ最古の建造物。日本語で「ステーン城」と訳されることもあるが貴族の館であったことはなく、むしろ防御機能をもった「要塞」として使われてきた。長年、海洋博物館だったが、現在は街のイベントスペース。
石造りの要塞
9世紀、スヘルデ川沿いのDe Werf(造船所・木場の意味)という場所の近くに、土を盛って作られた要塞が起源である。
12世紀終わりから13世紀初頭にかけて、石造りの要塞がここに建設され、ヘット・ステーンは3つあった門塔のうちのひとつ。ちなみにヘット・ステーンは「石」の意味(蘭:Het Steen/英:The Stone)。
16世紀、カール5世の時代に強固に増築された。ファサードのレンガの色が上下で違っているのに注目したい。
その後、1823年まで牢屋として使われていた。一時期、住宅、製材所、魚の保管場所として機能したこともあるが、1862年から博物館となる。最初はアンティーク品を展示し、1952年から2008年まで国立海洋博物館だった。船の模型や海図など、その当時の展示物はMAS博物館に移された。
現在は、主に子供向けイベントスペースとして使われている。
住所
Steenplein 1,
2000 Antwerpen