「世界で二番目においしい○○」という謙虚な表現ありますよね。
「家庭でお母さんが作る料理が一番おいしい」というニュアンスで、「それ以外だったら、手前どもの作る料理が世界でだれにも負けない味ですよ」という自負を表したものです。
ベルギー人がグルメなおかげで、ベルギーには素敵な美味しいお店がたくさんあります。ミシュランの星がついた高級店に行けば、値段は張りますがとても美味しい料理が出てきます。高価な食事を食べ続けていると、いわゆる「舌が肥えてくる」ようになり、味に点数を付けたくなります。グルメ本のランキングを見て、高級店をすべて制覇してみたいと、ついつい思ってしまいます。
しかし、私はこうも考えるのです。「やっぱり家庭の味が一番」。日本人なら、ご飯とお味噌汁と焼き魚にお漬け物。食後に日本茶が一番のご馳走なんじゃないかなと。長い海外旅行から帰ってきて、一番嬉しいのは家で食べるお茶漬けだったりしませんか? あまりに普通すぎてご馳走だと感じられないかもしれませんが、家庭の味が究極的には一番のような気がします。
では、ヨーロッパ人の「一番」は何かというと、「仲間との食事」なんじゃないかと思うことがあります。自分の誕生日に必ず同じタイ料理のお店を予約して友達をたくさん呼ぶフランス人女性を知っています。決して味が美味しいわけではない安いお店ですが、彼女はそこでお店の人たちと家族のように振る舞っています。親友のギリシャ人はギリシャ料理の高級店のオーナーが鼻持ちならないと、そこには行きません。彼のお気に入りは、古くからの友達が経営する郊外にある普通のギリシャ料理屋です。値段の問題ではなくて、気心知れた仲間とワイワイと楽しむのが目的で、ビジネス使用でもなければ味の優先度は3番目くらいでしょうか。
さらに別の論点から言うと、我々がグルメな生活を送ってとても幸福な一方、別の世界では日々の食事にも事欠く人々がいることも事実です。
以上、偽善っぽいようですが、忘れないうちに書いておきます。私はすぐに忘れてしまうものですから。
さて、その上でベルギーの美味しいレストラン事情をご紹介していこうと思うのですが、なにしろ手間のかかる作業です。すぐには出来ません。とりあえず、有名店や以前行ってよかったお店を掲載しておりますが、ご反論、ご提案いろいろあるでしょう。少しずつよくしていこうと思います。味だけではなくて、雰囲気やサービス、ボリューム、価格、交通アクセスの良さ(特に観光客にとってはあまり遠いのは不便ですよね?)複合的な要素が混ざり合って、単純にご紹介することはできません。
それにしても、レストランは「総合芸術」と思いませんか? 私もいつか機会があったら、レストラン作りに携わりたいと夢見ています。お店のコンセプトや料理、内装デザインからスタッフの人選など、お料理ひとつ出すのに数えきれないほどの決断をしなければなりません。まさにアートの結晶です。
このサイトに掲載されたお店のリストはまだ完成していませんし、いつまでも更新されつづけるべきものだと思います。感性を働かせて、素敵なご案内ができるように頑張ります。皆さんのアドバイス、体験談などもいただければ、とても助かります。どうぞよろしくお願いいたします。
チルチル