ブリュッセル地域政府の新首相ディリエスが治安対策のためミディ駅を視察

ブリュッセル地域政府の新首相ディリエスが治安対策のためミディ駅を視察

ブリュッセル首都圏政府の新首相に就任したボリス・ディリエス(Boris Dilliès、MR党)は、2月16日に初の視察としてミディ駅を訪問した。

同行したのはMR党に所属する連邦政府の内務大臣ベルナール・カンタン(Bernard Quintin)と、ブリュッセル政府で都市計画や清掃局の担当をするオードレ・アンリ(Audrey Henry)、また駅が位置するコミューンの区長らも参加した。

 

高い犯罪率のミディ駅

ミディ駅は、ベルギー国内はもちろん、欧州主要都市のパリ、ロンドン、アムステルダム、ケルン発の高速鉄道ユーロスターの発着駅であり、重要なビジネス客や外国の観光客を迎え入れる「ベルギーの玄関」ともいえる重要な駅である。

しかし、実情は旅行客を狙ったスリ、薬物がらみの犯罪や暴力の温床となっており、ホームレスまたは薬物やアルコールの中毒者など社会的弱者が身を寄せる場所ともなっている。

ディリエス首相は「ブリュッセルのショーウィンドー、入口で一番目立つところなのに、治安と衛生面でイメージが悪い」との問題意識を語った。

首相が視察で面会したのは、警察の担当と鉄道の警備関係者など、駅の内外で働く人々だった。

2024年には鉄道(SNCB/NMBS)の警備組織であるSecurailは年間7310回という記録的な通報を受けた。 同年11月には駅構内に警察署が設置され、一定の犯罪抑止の心理効果はあるかもしれないが、開設1週間で95件の被害届が出されたというから、抜本的な解決にはほど遠い。

 

関係機関が多すぎる?

いかにもベルギー的な現象 「テーブル上にある予算は1000万ユーロと悪くはないですが、ここからは異なる機関に所属する多くの関係者がより連携するようにしなければなりません」とディリエス首相は発言。

ミディ駅および北駅の治安、衛生、弱者救済の改善策のために、地域政府としての予算が組まれている。 そして首相が連携を強調するのは、ベルギーの複雑な行政システムという裏事情がある。

まず治安を見ると、駅構内および車両内の細かい警備を担当するのが鉄道会社のSecurailだ。それに加えて連邦政府の鉄道警察がより強力な治安維持部隊として存在する。

2025年12月には、ミディ駅のすぐ近くにフォレ、サンジル、アンダーレヒト地区が共同の警察署を新設している。特に駅周辺の治安対策は今後、地区レベルでも力が入れられる。

ちなみに、カンタン内務大臣はブリュッセルの6つの警察ゾーンをひとつに統合し、指揮系統や情報を一本化すべきと主張している。 現状、異なるレベルの治安維持組織をまとめる努力や工夫はどうしても必要になってくる。

 

清潔で安全な駅を目指しつつ社会的弱者は救えるのか?

衛生面でも、状況は複雑である。駅構内やプラットフォームは鉄道会社の管轄だが、乗り入れているプレメトロはSTIB、地域の道路はブリュッセル清掃局といった具合に、細かく担当が分かれている。

最後にホームレス対策は、非常にデリケートな課題である。ブリュッセルではSamusocialという組織や、各地区の福祉局、赤十字や教会などが支援を行っている。彼らの人権を尊重しつつ、駅の安全性やイメージを改善するのは、至難の業といえる。

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