2026年3月1日からVATの一部増税

2026年3月1日からVATの一部増税

日本の消費税にあたるベルギーのVAT(付加価値税)は通常21%が課税されるが、生活必需品や文化に関するいくつかの商品やサービスには12%、6%もしくは0%で非課税など軽減税率が適用されている。

そうしたなか、今のベルギー政府は財政政策の見直しの一環として、6%のVATが適用されている4つの項目を2026年から12%に上げることを決定した。

これにより影響を受けるのは①宿泊②スポーツとレジャー③持ち帰りの食事④エンターテイメントである。

例えば一泊100ユーロのホテルの部屋はこれまで6ユーロの税だったが、12ユーロに引き上げられる。

当初は1月からの施行を予定していたが業界団体の強い反対もあり、同年3月1日からの開始に変更された。対応するために2ヵ月の猶予期間が与えられたことになる。

 

国民食フリッツの危機

「持ち帰りの食事」と聞いてベルギーですぐに思い浮かぶのがマヨネーズつきのフリッツだろう。野党の政治家たちは国民食に対する攻撃であると批判を強めている。

与党側のMRは「現在は店内で食べれば12%で、持ち帰れば6%が課税される。まったく同じフリッツなのに値段が違うのはおかしい。ノンアルコール飲料は21%から12%に引き下げするなど配慮はしている」とSNSで反論した。

有名なフリッツ店の経営者は「ラード油、ソースのオイル、包装、あらゆる生産コストが跳ね上がっているなか、欧州もガスの税金を上げようとしている。今年はジャガイモの収穫が良かったこと以外は、最悪の状況に陥ってしまった」と嘆く。

税金の高いベルギーの消費者は、増税に対して敏感に反応し、支出を控える傾向にある。特に低所得者層は食品の値上げに対して買い控えを行うだろう。庶民の食べ物フリッツの消費が落ち込む可能性は高い。

 

不明のグレーゾーン

約2ヵ月後に迫った変更にも関わらず、詳細が判明していないグレーゾーンも多い。増税によって影響を受けるビジネスが多いだけに、関連業界では不安が募っている。

例をあげると、3月以降の予定でホテルの部屋が予約され、すでに支払も済んだ状態の場合、税金の扱いはどうなるのか?支払うとすればホテルと客とどちらが負担するのか?

スーパーマーケットなどで販売されるサンドウィッチやお惣菜など持ち帰り食品の扱いはどうなるのか?

営利を目的としない文化やスポーツの活動は非課税であるが、それとエンターテイメント活動は完全に区別できるのか?

年末から年明けにかけて、より細かいルールが発表されると予見されるが、いずれにせよ旅行や文化、娯楽、食への税負担が増えることで、人々の生活やビジネスに少なからず影響が出ることだろう。


VAT
付加価値税


欧州連合には消費にかかる税金について加盟国が守るべき指令が存在する。税率は各国独自に決定できるが15%未満になってはならない。

最低税率はルクセンブルクの17%で、最高はハンガリーの27%。食品や水、医薬品などは軽減税率を採用してもいいとされている。ただし5%未満になってはならない。

 

 

Photos : Janelle Monáe Live @ Warner Fall Session Botanique Bruxelles-0567-Kmeron

新着記事 Actualité Nieuws