ブリュージュのマルクト広場でひときわ立派な建物はフランダース州庁舎です。破壊や火災によって何度か立て替えられ、1920年にネオゴシック様式の現在の建物として完成しました。
しかし約700年前は、今とはまったく違う風景だったはずです。というのも、昔のブリュージュは港町であり、街なかまで船で入ってこれていたのです。現在の州庁舎も、ブリュージュ港の物流センターとして1294年に建てられた建物を起源とします。
残念ながら、砂泥の堆積によってブリュージュが海と直接つながらなくなったのちに取り壊され、1787年に新古典主義的な建物として再建されました。しかし、これも1878年に火災で焼失。
再び1887年にネオゴシック様式の建物として再建がスタートします。19世紀末に隣の郵便局と州庁舎の一部がオープンし、途中で第一次世界大戦を挟み、1921年に最後の部分が完成して現在の姿となりました。
ちなみに両脇の向かって右側が郵便局。左側の建物は当初、知事公邸を使用目的として作られたものです。
西フランダース州の行政庁舎として長く使われていましたが、現在は主に結婚セレモニーや市の行事で使用されています。
実は、現在の建物のオーナーは連邦政府で、2012年に建物の売却を検討したのですが、主な使用者である西フランダース州自治政府の猛反対で却下されています。
Markt 3,
8000 Brugge