今年8月12日よりEUは包装に関して製造から使用、再利用、リサイクル、廃棄までを定めるPPWR(包装・包装廃棄物規則)の適用を開始した。EPR(拡大生産者責任)の観点から、企業が市場へ出した包装の回収・処理費用を自社で負担することが求められる。
この動きの背景には、EC市場が拡大したことにより包装廃棄物が急増したことがある。
環境負荷を減らす狙いがある一方で、規模を問わずすべての事業者に対応が求められる点が懸念されている。
例えば手作りアクセサリーをオンライン販売するような個人事業者にとって、新制度へ細かく対応することは困難であり、ビジネスの縮小もしくは活動自体の断念につながる。
特に輸出先のEU加盟国ごとに代理人を用意したり書類を作成する必要があり、ワンストップで輸出できない点が非常に高いハードルとなる。
環境保護のために一定の規制は必要であるが、過度な負担が企業の販売活動を妨げる結果となれば、EUが掲げる単一市場の理念と矛盾しかねないと指摘されている。
環境保護と企業活動の自由、さらに小規模ビジネスの振興のバランスをいかに取っていくのか、EUにとって今後の課題となる。
(文・奥村夏美)

