ゲントの産業博物館

ゲントの産業博物館

昔の綿紡績工場を改装して、1976年に産業博物館としてオープン。

まずエレベーターで最上階の5階まで上ると、3つの塔、社会党の建物、フランダース伯居城も見える驚愕の景色。この眺めを見られるだけでも、訪れる価値があリます。

5階は紡績産業のフロア。Mule Jennyと呼ばれる紡績機は、1798年にLieven Bauwensリーベン・バウウェンス(1782-1822)がイギリスから密輸したもの。彼は何度もイギリスに産業スパイとして赴き、ゲントに紡績産業をもたらし、世界で5つの指に入る産業都市に発展させるきっかけを作り、市長にもなり、ナポレンが彼の工場を表敬訪問したこともあります。

紡績工場で働く人々と、彼らに寄り添う神父ダーンスを描いたベルギー映画『神父ダーンス』でも使用された大きな紡績機もあります。19世紀末、8歳位の孤児が集められ、安い賃金で朝早くから夜9時頃まで働かされていたといいます。その後、その場に立ったまま使えるような機械が作られ、女性が紡績工場で働くようになるのです。

4階は印刷産業フロア。18世紀頃から近代までの様々な印刷機、活字の組み板作業台、活字保管棚などがあります。昔の印刷機はワイン製造過程で使われる葡萄圧縮機を改造したものだったとか。説明は英語、フランス語、オランダ語があり、トリビア的な豆知識を得ることができます。例えば、なぜ大文字をuppercase、小文字をlowercaseと呼ぶのか。活版印刷では、斜めになった植字台の上に組板を置き、その上に大文字と小文字の活字ケースをセットします。効率よく植字するため、よく使う小文字を作業者の手の届きやすい下のケース(lower case)に、大文字を上のケース(upper case)にセットしていたからだそうです。

2025年現在、地上階では、『TYPEFACES』展という活字に焦点を当てた特別展が開催中で、そこでは活版印刷で刷られたポスターや、『80文字:22フラン』など、値段を明記した活字業者自身の広告ポスターやカタログが展示されています。カタログを見ると、当時は文字のサイズはポイントではなくシセロという単位が使われていたことが分かります。活字アート制作風景や組版のビデオ展示があり、ハンコアート、切り貼り、大きな活字プレートでの組版など遊びコーナーもあります。

建物は屋根や外観は勿論、床や窓も当時の雰囲気を残しています。ロッカーも昔の作業員用ロッカーにデジタルロックを付けたものです。また、落ち着いたカフェから見える中庭には昔、染色のための植物がたくさん植えられていたとか。

 

INDUSTRIEMUSEUM@Gent

住所:Minnemeers 10, 9000 Gent

開館:

 月曜~金曜 :9:00~17:00

 土日曜、祝日、学校の長期休暇中:10:00~18:00

7、8、9月以外の第一木曜:22:00まで

閉館:水曜日、1月1日、12月24日、25日、31日

入館料:一般:9ユーロ、19~25歳:2.50ユーロ、18歳以下:無料

URL: https://www.industriemuseum.be/

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