冬季うつは、毎年冬になるとうつのような症状が出て春になると消えていきます。疲れやすさ、気分の落ち込み、気力の低下、などに加え、冬季うつに顕著な症状としては過眠、過食(特に炭水化物や甘いもの)が挙げられます。
春になると改善するとはいえ、なるべく嫌な思いはしたくないものです。
ではどうすれば防げるのでしょうか。一般に言われているのは以下のことです。
・ 朝日を浴びて体内リズムをリセット
・ 一人で家にこもらない(どんな人でもうつっぽくなります)
・ 適度な運動
・ 規則正しい生活
・ バランスの良い食事
・ 夜、湯船につかって心身ともにリラックスする(特に日本人は)
・ 日常で夢中になれるもの、心地いいと思えるものを積極的に探す
・ 笑顔でいる
→これについては「楽しくないのに笑えるか」と思うかもしれませんが、笑顔を作ると気持ちが表情に沿って上向きになるという研究報告があります。また、笑いが免疫力を高めることは広く知られています。
・ 不調を予防・緩和する成分を積極的にとる
→冬に不足するビタミンの代表ビタミンD(魚、きくらげ)や、抗鬱作用があるとも言われるオメガ3(青魚、亜麻仁、くるみ)。サプリメントとして薬局で購入もできます。スーパーマーケットでこれらの栄養を強化した食品もよく目にします。他にセロトニンを増やすトリプトファン(乳製品、バナナ)等があります。
それでも冬季うつになってしまうことはあります。なる時はなるのです。気分が沈んだまま、日常生活に支障をきたすようなら、薬を処方してもらうこともできますので、迷わずホームドクターの所へ行ってください。どうせ春になれば治るし、薬なんてと思われるかもしれませんが、不快な思いを抱えながら著しく生活の質を落とすより賢明な選択ではないでしょうか。
医師にかかることを勧めるもう一つの理由は、不調の裏に慢性疲労症候群や更年期障害をはじめとする、他の病気が隠れている可能性もあるからです。マダニに噛まれライム病で長いこと元気のない子もいました(血液検査で病気が発見され治療)。冬場に不足しがちなビタミンDの著しい低下で不調を訴えることもあります。
ちなみにホームドクターが検査が必要と判断すれば、総合病院への紹介状を書いてくれるので、比較的早く病院の予約が取れます。
次回は、光療法についてご紹介します。
臨床心理士 川瀬まり Mari Kawase
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