巨匠画家ルーベンスが眠る教会。ルーベンス邸から歩いて5分の場所にある。ゴシック様式の荘厳な建物の中にはルーベンスとその同時代の画家の絵が飾られている。17、18世紀をそのまま伝える貴重な教会調度品もじっくり味わいたい。
保存状態のよいローマ・カトリック教会
起源は14世紀初頭にさかのぼる。聖ヤコブの遺骸を納めたスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ教会へ行く途中の巡礼立ち寄り所として、街の城壁の外に作られた簡素な小屋だった。
15世紀に入って教会は増築され、アントワープ教区の設立につづいて、ここが「教区教会」となった。
現在の教会は、1656年に完成。周囲に住むお金持ちの教会員らはアントワープ大聖堂より高い塔を作ってくれと要求したが、財政上の理由で計画は実現しなかった。(塔は50メートル)
アントワープの多くの教会が18世紀のフランス革命の騒乱により損害や強奪を受けているが、アントワープの聖ヤコブ教会は神父の政治的努力のおかげで無傷で乗り越えている。教会の内部が17世紀、18世紀の様子をそのまま伝えていることは特筆に値する。
ルーベンス永眠の場所
1640年5月30日に亡くなったルーベンスは、6月2日にこの教会に埋葬される。
教会内には巨匠ルーベンスの絵はもちろんのこと、ジャック・ヨルダーンス、マールテン・ド・フォス、アンブロシウス・フランケンなど、同時代にアントワープで活躍した画家の作品が飾られている。
1765年、当時9歳で音楽の神童と呼ばれていたアマデウス・モーツアルトが、父レオポルトと一緒にこの教会を訪れて、ルーベンスの墓に参拝している。彼らは教会の大理石の美しさについて話をしたと伝えられている。
住所
Lange Nieuwstraat 73A,
2000 Antwerpen
オープン時間
春夏秋季(4月~10月):毎日14時~17時
※冬季は一般公開なし