ベルギーに来たばかりの2009年。もうこんな文章は二度と書けないだろうなという初々しさ。そして愚かしさ。
当たり前のことに感動する心を、僕はいつ失ってしまったのだろう。そして、当時は今よりイタリア語がしゃべれていたらしいっぽい・・・。
もう二度と帰らぬ2009年7月8日の日記。
髪を切りたいと思っていて、妻に紹介された美容室のヘアドレッサーがイタリア人だった。
「セイ・イタリアーノ?」(あなたイタリア人?)と聞いたら、その後、ずっとイタリア語でのやり取りになる。
ルイージっていうから、まあイタリア系だと思ったけど・・・・・・・
カットの途中で、「今日は寒いから、エスプレッソでもどうだ?」と訊かれた。
さすがイタリア人。美容室にエスプレッソマシーンがある。
「グラッツェ・ペル・エスプレッソ」(エスプレッソをありがとう)
そして日本の話で盛り上がる。
「俺のハサミは日本製なんだぜ」
と言うから見せてもらうと、MATSUZAKIというメーカーのもの。
「刀のような切れ味だ」(by ルイージ)
しかし、映画『シザー・ハンズ』のようにハサミを振り回すので正直言うと怖い。
ときどき髪を引っ張られて、ちょっぴり痛い。
これでも丁寧なほうだという評判。もっとテキトーな美容室に行くと耳を切り刻まれるに違いない。
シャンプーとカット、簡単なセットで24ユーロなり。 男は安いようだ。
早くてなかなかの出来映え。楽しく終了。満足。
ちょっぴりイタリア語を勉強中。
基本をお勉強してみましょう。超簡単である。
Io sono giapponese. 私は日本人です。
Sei tu Momoko? あなたが桃子さん?
Noi siamo studenti. 僕たちは学生です。
Voi siete italiano? あなたたちはイタリア人?
Lei è cinese? あなたは中国人ですか?(敬語)
Lui è Paolo. 彼はパオロです。
Lei è Signora Pantini. 彼女はパンティーニ夫人です。
Loro sono studenti? 彼らは学生ですか?
ざっとこんな感じでBE動詞を覚える。
Io sono~ 私は~です。
Tu sei~ 君は~です。
Noi siamo~ 僕たちは~です。
Voi siete~ 君たちは~です。
Lei è~ あなたは~です。(敬語)
Lui è~ 彼は~です。
Lei è~ 彼女は~です。
Lore sono~ 彼ら(彼女ら)は~です。
英語のYouは「お前さん」でも「あなた様」でも同じYouだが、イタリア語のYouは2種類ある。
(フランス語では「君」のTuと、「あなた様」のVous)
イタリア語では、「君」はTuで、「あなた様」はLeiである。
そうそう、ちなみに、イタリア語はローマ字を読むように、 アルファベットをすなおに発音すればいいです。
Noi siamoはノイ・シアーモと読む。
さらに、ちなみに、イタリア語では最後から二番目の音節にアクセントがくる。
疑問文にしたかったら、平叙文の語尾をあげれば即席で立派な質問に
なるので便利。このあたりもフランス語と一緒か。
Tu sei italiano? 「君はイタリア人?」
もちろん倒置しても大丈夫。はっきりと疑問文だとわかる。
Sei tu italiano?「君はイタリア人?」
さらに、BE動詞がseiだとなれば、主語はTuしかあり得ないので、 主語を省略することがでてしまう。
Sei italiano?「イタリアの人?」
主語の欠落現象は、日本語と共通だ。
「お腹すいた?」と訊くときに、わざわざ君とかあなたとか言わないで済む。
英語ならば「Are you hungry?」と必ず主語が必要で、省略は基本的にできない。
「Hungry?」は可能だが、「Are hungry?」とは言わない。
*
さて、では最後に簡単な会話文を。
Scusa, sei tu Momoe? すみません、君が百恵さん? (scusa=excuse me)
Sì, sì, sono io, l'amica di Paolo. ええ、そうですよ。パオロの友達の。 (si=yes l'amica=the girl friend di=of)
Piacere, io sono Mario. はじめましてよろしく。僕はマリオだよ。 (piacere=nice to meet you)
Ehm..... Mario? Scusa, ma tu sei fratello di Luigi? えーと、失礼だけど、ルイージの兄弟のマリオさん?(ma=but, fratello=brother)
Sì, sono io. そうですよ。
Ah, d'accordo. Piacere, Mario. ああ、なるほど了解です。よろしくね。マリオさん。(d'accordo=I get it)
はたして、マリオとルイージの話をイタリア人に持ち出して、あのゲームのことが分かるだろうか? 次回、訊いてみよう。
ルイージが使っていたMATSUZAKIは、世界に名だたる日本の伝統技術製品のようだ。(サイト)