コミューン施設の水泳プールで泳いでいる私は、当然のように「ご近所さんとの裸のお付き合い」があります。
ぷよぷよの体をどうにか引き締めたいという私に比べて、すでにロダンの彫刻のような筋骨隆々とした体躯の皆さんが、肩で風を切ってプールサイドを歩きます。
そうした理想の石膏像グループは、だいたい一つや二つはタトゥーで肌を飾っているのです。
タトゥー。刺青。入れ墨。
危険な香りが漂うと同時に、極めてプライベートなテーマでもあります。
我が「青い鳥」にちなんで、学びたての逸話を一つ。
アメリカ軍の水兵が5000海里(9260キロ)を航海できたときに、ツバメのタトゥーを一つ入れることができました。遠い巣に帰る渡り鳥のツバメと、異国の海に浮かぶ自身を重ね合わせたのでしょう。
区民プールでは、タトゥーの図案は自由そのもの。てんでばらばら、気のむくまま、何でもありです。
人気はケルト系、和柄、ワンポイント系でしょうか。
日本の伝統的な図案を、少々モダンにアレンジしたものをまとっているアラブ系の青年の腕にはゲイシャがいました。
大きな肩に「愛」と書いた人もいれば、肩甲骨に「女」と小さめに入れたおじさんもいました。
やはり、アジア人としては漢字が気になりますね。意味が間違っていやしないか、他人事ながらヒヤヒヤします。
31.jan.2020